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2021年9月29日水曜日

「否定中毒」に陥る心理

 


「否定中毒」とは、自分では何も挑戦をせずに、挑戦する人の揚げ足ばかりをとって、「あれもダメ」「これはやったらダメ」などと上からモノを言う人のことです。

パッと思い浮かぶのは、評論家タイプの人です。

「もう歳だから」と言い訳をつけて、何もしないで人に注文する人も当てはまります。

または、会社で管理者のようで批判家になっているような人も、当てはまります。

また、家で子供の挑戦をことごとく妨害する親なども、当てはまります。

このような人は、自分が挑戦することはすでに諦めているので、失敗の可能性はないので、「お前もな」と突っ込まれる危険はないのですが、どこか虚しさがあります。

なぜなら、すでにご隠居のような生き方をしているからです。

仕事の現役は引退したのかもしれませんが、生きている限り 人生では現役でないと、その後の人生はつまらなくなってしまうでしょう。

そして、自分で「挑戦しない生き方」を選んだにも関わらず、それではあまりにも暇なので、人に絡みつきます。

しかも、褒めていると相手ばかりが持ち上げられるので、否定することで「どうだ?先に気づいた私は偉いだろ?」となるのです。

こんな人は、自分を一度俯瞰してみるといいと思います。

でも、今の日本は「現役引退」の人ばっかりかもしれません。


動画で「妬み」をテーマにしましたが、日本は「妬み社会」です。

言葉を変えると「出る杭は打たれる社会」です。

これは、どこでもそうです。

日本人が慎ましいと言われるのは、妬まれることを最初から防衛しての態度から来るとも考えられます。

すると、「目立たず」「周囲に合わせる」ことが重要になって、「挑戦は面倒だ」となって、創造的な才能を引っ込めたり、自分でも重要だと感じないので、才能に気づくこともなくなってきます。

つまり、才能が退化して淘汰されていくのです。

このように、「目立たず」「周囲に合わせる」と言うような防衛的な態度は、「非生産的」です。

その場をうまく取り繕うことはできても、創造的に何かを作り出すとか、新しいことをやってみると言うような「生産的」な行為とは真逆なのです。

「それでもお給料がもらえるなら、それでいい」と言う意識が、蔓延してる気がします。

それでも、最後の最後には「私の人生なんだったんだ?」と思うように思います。




ところで、生き方とか品性とか……人間の基本的な姿勢として、ウェイトリーの「自己尊重の段階」をご紹介します。


1.自己尊重のレベルが【高い人】

・内面的人間

重要な判断は、他者に聞いたりせずに自分の内側の声(ハイヤーセルフ)を信じます。


⒉自己尊重のレベルが【中くらいの人】

・物質主義者

言葉の通りですが、自分の持っているお金やモノが、自分の価値を決めると言う考えです。持ち物などを見せびらかしている人や自慢をする人です。

 

3自己尊重のレベルが【低い人】

・詐欺師

他者から盗み取ったものが全て、それこそに価値があると思う人です。依存する人なども当てはまるかもしれません。心理的に自分で立つ(自立・自律)のをやめた人もそうでしょう。



こう考えると、例えば同じ職場にいても、物質主義者的に生きている人もいれば、実は詐欺師的に生きている人も、意外に多いような気がします。

これは、生きる姿勢であって、自分にしかコントロールできないので、歳を重ねると余計にその差は広がっていくと思います。

また、別のレベルの人が、他のレベルの人を侵食していくのが一番、面倒だと感じます。

でも、それが通用するのが、移動しにくい関係性である職場や家庭なのだと思います。


最初に言ったような、自分は何もしないで否定ばかりするような「否定中毒」の人は、心理的な詐欺師のように思います。

そんな人が「立派」だと言われている世の中なのかもしれません。


2021年9月1日水曜日

自己愛マザーからの傷の回復 5ステップ

 自己愛マザーとは自己愛傾向の強い女性が親になったということ


今回は毒になる母親という書籍から、回復の5つのステップのところをお伝えします。



この表紙のイラスト……まさしく「自己愛マザー」という感じ。

女王様とか、女優などの「私は特別」感のある人です。

日本でいうとぶりっ子だったり、永遠の乙女とかかな?

詳しくは動画で説明してます。


このような自己愛マザーの元では、当然ですが愛をもらえることはなく、常に世話をしたり気遣ったりするのが「子どもの役目」になってしまいます。



家族が常に自己愛マザーの周りをぐるぐると回っている感じです。

ここにはこの変なシステムを家族の秘密としておくという「暗黙のルール」があり、メンバーはそれに従いながら、緊張感のある家庭で長い期間過ごすことになります。

この辺は、動画で説明してます。

傷を癒すには、その傷の存在を認めないと始まりません。

よく「幸せだった」「良い母親だった」という人は、本当にそうであった場合と、「そうであってほしい」と今でも思っている。の二つに分かれます。

後者が、「理想化」です。

これにこだわっている間は、傷を認めないということです。

どっちにしても、自分はどこにいるのかを知ることは重要です。

これを知らないと、誰かの意見にムキになってしまったりします。

これこそが、「生きづらさ」の原因になってしまいます。

つまり……「自分の母親が自己愛人間であり、自分がその母親に傷つけられた」という真実を言葉にして、受け入れることが最初のステップです。

そうして、受け入れるだけで、癒しが始まるのです。


ここでは、簡単に、ステップだけお伝えします。

自己愛マザーの子どもの回復 5ステップ



1.母親の限界を受け入れ、自分が望む母親を持てなかったことを全力で悲しむ


自己愛の人は1歳児とか、2歳児、3歳児などと、専門家も表現されています。

このくらいの子どもは、見ているだけで可愛いいものですが、まだ他の人とかペットなどに対する愛情というのは、発達していない場合が多いです(たまにいますが)。

でも、それで良いのです。子どもなのですから自己中心で。

つまり、自己愛マザーの精神年齢が1〜3歳ならば、それくらいが限界なのです。

「可愛い、可愛い」とは言われたいけど、誰かを見て「可愛い」とはまだ思えない……。

このような人が、労働力を必要とした時代に生まれ、そして国策で「産めや、育てや」に逆らわずに(子どもが苦手であっただろうに)従順に、もしくは幸せを願って子どもを作ったということです。

そして、その事実を受け止めて、できる限り泣いたりして感情を外に出すようにしてください。

ある程度、感情が外に出たらラクになって、思考が働くようになってきます。

そうしたら、母親の限界について少し考えてみてください。

もし、1〜3歳の自己愛人間に、高いレベルの期待をしていたら、それが満たされるはずはなく、あなたが辛いはずです。

と、ここで小タイトルをみてください。

「自分の望む母親」と書いてます。ここであなたが理想とする母親像を、振り返ってみてください。

「優しい眼差し」でしょうか?

「攻めずに受け入れてくれる態度」でしょうか?

そして、現実の自己愛マザーと対比してみてください。

あまりの違いにショックかもしれません。でも、それが目的なのです。

多くのカウンセラーなどは、「許せ」「前を向け」と言います。

これは、その人たちも傷を癒せてないから、人の傷にも向き合えないジレンマに陥っているのです。

そもそも、自分を癒せていない人が、支援者になろうとするのは「とても危険なこと」だということに気づいてない人という事実だけで、私たちより重症とも言えるのです。

このような人に頼ると、いっときは蜜のような癒しを感じても、それがすぐに支配となって、親と同じような立場になってしまいます。

「治らないのは、あなたの責任」というようなことを、平気で言いだすでしょう。

そして、何度も傷ついた子どもたちは、傷を抱えたまま蓋をしてしまいます。




2.母親から心理的に分離し、ネガティブなメッセージをポジティブに再変換する


動画でも言いましたが、自己愛マザーは、子どもを「呑み込む」か「もういらない」と「無視する」かのどちらかです。

これは、子どもが大好きなぬいぐるみを扱うのと似てます。

母親から心理的に分離するとは、「呑み込まれた」状態から分離することです。

つまり、自己愛マザーにとって、あなたは「今は」お気に入りなのかもしれません。

ただ、精神年齢は1〜3歳ですから、いつ気が変わってあなたを放り投げてしまうかわかりません。

このような人に、自分の存在を、そして人生を預けるなど、危険だと知ることです。

マレー・ボーウェンによると、成人が呑み込まれた状態から個体化するには、このようなプロセスが必要だと言います。

  1. 家族の力学に感情的に反応しなくなる
  2. 家族の力学をより客観的な目で観察できる
  3. 思い込みやイメージ、歪曲(わいきょく)、家族内の三角関係」に気づくようになる



つまり、不全状態の家族システムに呑み込まれるのではなく、「おかしい」と一歩引いて観察して、このおかしさを分析するようになることです。

そして、自己愛マザーの周りをぐるぐる回るという生き方から、脱していく必要があります。

それには、この3つが必要です。


  1. 投影のメカニズムを理解する
  2. 母親や周囲の妬みの感情を理解し、それに対処する
  3. 内面化したネガティブなメッセージを一掃する


なぜ、自己愛マザーは、子どもを妬むのでしょうか?

これは、低い自尊心から来ると思われます。

高い自尊心の人は、周りにいくら優秀な人や美しい人がいても、関係ないです。

なぜなら、「私には私の良さがある」と思えるからです。

でも、低い自尊心の人は、周りが良いから自分がダメに見えると考えます。

すると、それが子どもでさえも「あいつが悪い」となってしまうのです。

しかし、多くの妬みを向けられた子どもは、「自分が悪い」と思ってせっかくの長所などを隠そうとします。

これは、もったいないです。

また、3番の内面化したネガティブなメッセージを一掃するには、どうしたら良いか?

これは、思い浮かんでくるごとに、通り過ぎずにしっかりと当時のことを思い出し、いかに根拠のないものだったか、子供っぽい行動だったかを理解することです。

これは、1日や2日で一掃できるはずがないので、思い出したら一つづつ処理するようにしてください。

トイレ掃除のように、こまめにすることが重要です。




3.自分自身の考え(価値観)、感情、欲求を持つ


著者によると、インナーマザーを自分の中に作るということを言ってます。

1番に出てきた「理想の母親像」を自分の中に作ろうというものです。

そして、つらいとき現実の母親は1〜3歳児なのですから、自分の中の理想の母親に相談したり、頼ったりするのです。

褒めて欲しいことを褒めてあげるのも、インナーマザーに求めます。

多くの人は、褒めてもらうのを、赤の他人に求めますが、このような子どもっぽい要求は、多くの場合、うとまれます。

でも、自分で自分を褒めるなら、誰にもわかりません。それができたら最強です。

このように内面と向き合う習慣ができると、自分の気持ちとか価値観に、簡単にアクセスできるようになります。

そうなったら、自分に聞いてみてください。

例えば……

  • あなたが一番大切なのは何?
  • どんな時に幸せを感じる?
  • 充実感を覚えるときは、どんなとき?
  • 夢中になれるもの。才能があると感じていることは?

こんな時に、不意に邪魔をするのが、内面化した自己愛マザーです。

そんなときは、ぜひ思い出してください。Jレナードの言葉です。


創造的で優秀であるためには、利己的であらねばならない。

あなたが何かを見つけてブレークスルー(現状、壁を突破する)とき、あなたに求められるのは、集中と没頭だ。

家族や周囲の求めに応じる前に、あなた自身の心と知性の欲求に応じなければならない。

妥当で責任をともなう自己本位な振る舞いが、あなたが大切に思う人たちの長期的な利益を築くのだ。


あなたは、もしかすると責任を伴わない利己的な人から、「利己的だ」「勝手だ」「勝手は許さない」などと言われて、自信を失ったのではないでしょうか。

このような呪文を消すには、責任のある利己的な振る舞いが必要なようです。




4.健全な方法で母親に向き合う


自己愛マザーと健全に付き合うことは可能なのか?

これは、非常に難しいと言えます。

なぜなら、本人が自己愛と気づき、さらに改善しようとしなければ始まらないからです。

もし、親子との関係が悪いのに、長期間何も変わらないならば、一生そのままの可能性が高いと認めざるを得ません。

つまり「変わる意思はない」ということです。

著者は、このような自己愛マザーとは、心の触れ合いを求めず、あくまでも儀礼的に付き合うこと、また、自分自身の精神状態によっては、一時的に接触を断つことを勧めています。

しかし、「呑み込む」親などの場合、接触を絶とうとすると、さらにしつこく攻撃的に詰め寄ってくる場合もあります。

厄介ですが、考えてみるとこれは、明らかに敵に対する行為です。

これを愛だと思うなら、あなたに境界が作れてない可能性があります。

呑み込まれたままで放置しているということです。

境界とは、自分と他人との距離です。

当然、危険な人からは離れて身を守る必要があります。

そして、一度決めた境界は絶対に守ることです。

呑み込む人は、ジリジリと境界を犯して、それを「成功体験」にしてしまうので、そこはきっちりと守りましょう。

陣取りゲームで、ずっと相手を許していたら自分の陣地はなくなってしまいます。


「責める」ではなく「愛する」ウエイトを増やす


これは、憎っくき自己愛マザーを「許して愛しましょう」という意味ではありません。

あなたの人生の多くの時間を、憎む相手に向けるのではなく、愛する相手に向けることが、「幸福」に繋がると思います。

例えば、嫌いなタレントが出るテレビを見て嫌な気分になるより、好きなタレントが出るテレビにかえるようなものです。



私たちは、家族とか親子などの「関係性」にとらわれすぎて、視野が狭くなってしまって、嫌いな人でもずっと目を向けていることがあります。

でも、自己愛マザーにとっては、たとえ嫌われていても相手をしてくれるなら、「それで良い」と思っている人も多いです。

なぜなら、動画でも言いましたが、自己愛マザーは「世間から見た評価」が重要なので、心が通い合ってなくても「世間から見ると良さげに見える」だけで良いのです。

このような偽りの関係を続けるために、心を悩ます必要があるでしょうか?

5.自己愛傾向は、自分の代で終わりにする

自己愛傾向は、「世代をまたいで伝達される」とよく言われます。

そして、実際以上に気にしているのが、子どもの方です。

つまり、「自分がされて嫌だったことを、自分がやっていたらどうしよう?」というものです。

これも、しっかりと自分を俯瞰して観察することが、それが違った見方をしていたのか、それとも本当に自己愛的な傾向を受け継いでいるか、もう一度確認してみましょう。

健全な自己(自己愛の反対)にとっていちばん大切なのは、

  • 人を愛する能力
  • 共感を示せる能力

です。

自己愛マザーの子どもなら、どちらも手に入れることはできなかったでしょう。

でも、これからでも決して遅くはないと思います。

人を愛せなくても、動物や植物などを愛せるならそれで良いし、愛が育つには、共感……つまり「相手には何が不足しているのか」、「現状に不満はないか?」などと考えるのは当然のことになっているのです。

結局、自分の幸せは自分で作り出すのですから、共感といってもそこまで広範囲に考えなくて良いのです。現状の不満などを汲み取ることができれば、それで十分なのです。

色々回復について説明しましたが、このような回復の過程は、きっと生涯続くのでしょう。

すぐに解決を求めず、自分の持病のようなものだと思って気長に付き合っていくことも、大切だと思います。

以上で終わります。ありがとうございました。

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