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2021年1月31日日曜日

本音で話し合うための傾聴スキル



あなたは、誰かと本音で話したいと思うことはありますか?


人間関係が得意でない人は、感情を出す機会がなかったせいで、感情が固まりがちでそれに気づくこともなく生きてきたのではないでしょうか。

また、本音よりも建前で話すことが、多いのではないでしょうか。


今日は、このような、本音の大切さと、カウンセラーも使う傾聴の方法で、会話をスムーズにする方法を、お伝えします。


本音で向き合うとは


コメントで、「親を受け入れるにはどうしたら良いですか?」というご質問がありました。


確かに、トラウマ返しという動画では、トラウマを作った親にどうトラウマ返しをするかと言いましたがどう受け入れるか、については話していませんでした。


これは、すごく人によって違うと思います。


まず、その人を、自分が受けとめられるかを考えることが、はじめにやっておくことではないでしょうか。


ここがすごく重要です。


これを間違えると、受け止められない人を受け止めようとして失敗をして自分を責めると言うような繰り返しをしてしまう危険があるからです。


私は、親でも他の人でも同じだと思ってますが、その人を信じられるか信じられないかによって、対応は大きく変わると思っています。


信じるとは、とりあえず自分を傷つけない相手、もっと大きく言えば、お互いに向上できる関係だと確信できること。



その上で、信じられるのであれば、もう少し気持ちが近づく工夫をするだけだと思います。


もう一つの、信じられない場合はこれは難しいです。


多くの子供は、信じられない親でも受け止めようとしたり信じようとします。

でも、それは本音ではないので、どこかで破綻してしまいます。

このような、「何々しなければ」という考えこそが、あなたが今まで苦しんできた原因ではないでしょうか。

このように、自分を苦しめる人を、受け止めようとする自分に向き合う必要がありそうです。


そのためには、まずは、自分の本音を一番に信じてその本音をじっくりと聞いてみることです。

その結果、相手を信じられないのであれば、本音で話すなどはしなくて良いし、距離をとるとか心理的に境界を作って入ってこられないようにするしかありません。

それくらい、信じるというのは人間にとって大切です。

信じていると、自分もつよくなった気がするし、信じた人といたらさらに何倍もつよくそして優しくなれます。

でも、信じていない人といると、嫌だと思ってもそれを伝えることもできません。

そして、嫌なことも引き受けてしまったりします。

このような気持ちで、「親を受け入れなければ」と思っているなら、また元の関係に戻ってしまうような気がします。

また、信じられないというのも、人によってそれぞれですが、教えたら直せるレベルの人なら、これからは、毎回こちらからも意見を言うようにして、親の癖を矯正していくのも、一つの方法です。




また、どんな親でも受け入れる、と言う覚悟であれば、その気持ちだけで相手は受け入れられたとじゅうぶん感じると思います。


ただ、それによって、親の内面が変わるとは期待をしないほうが良いです。

コミュニケーションスキルが、上達するためだと思ってください。

人格とか性格価値観は、その人独自のものなので、それは変えられません。

その上で、受けとめるのか受け止めないのか、もしくは、どう受け止めるのかと言う問題になります。

これは、人や状況によって、どう向き合うかは人それぞれだと思います。


例えば、対決しようとする人にとっては、向き合うというよりどう主張するかが大事になってきます。

また、ぐちゃぐちゃになった関係性を改善したいという場合は、対決だけでは難しいでしょう。

ということで、今回は、対決というより親に可能性があるので関係改善に向かいたいケース、ということで、考えていきたいと思います。


もし対決する気で向かい合うならばそれは、お互いが戦闘服を着て正面から向かいあっているようなものです。


「絶対に、騙されない。」


「弱みを見せたら、終わりだ。」という感じです。


そのように思うのは、それだけ怖い思いをしてきたからです。


だから、そういう気持ちの人は、その気持ちを我慢したり何もないふりはせずに、大切にしてください。


こんな時は、無理に歩み寄ろうとしなくて良いのです。


大抵は、今、調子が良い人が、優しくなって歩み寄ることを考えます。


もしくは、必要性がある場合です。


人によって、プロセスや、問題解決までの時間は、それぞれで良いのです。


先ほど、戦闘服で向き合うと言いましたが、本音で話し合うとは、どういう感じでしょうか。



私のイメージでは、縁側のようなところで、同じ方向を向いて話しをするときです。


お互いに肩の力を抜いて、何をいっても非難されない否定されないという、安心感の中で、会話がとめどなく続くような感じです。


このような会話をすると、日頃の疲れが、スーッと引いていく感じです。


ただ、何度も言いますが、いくら同じ方向を向いていても、例えば親などが「この子は私の思い通りに生きてもらう」などと決意していたら、その中に流れる空気はすごく緊張感が漂うと思います。

つまり、本音で話しあうのに必要なのは、



1.お互いの信頼感情


何をいっても、否定をされないことが大前提です。

相手のここがすごいから好きなのではなく、全体を持って好きという感情です。


2.操作的なものがお互いにない


結果が決まっているような話し合いは逃げ道を塞ぐための目的です。

それは、命令で話しあう意味がありません。


3.傾聴などのスキルが必要


これは、1番と2番が条件として揃ってなければ、意味がありません。

その上で、本音を話すことが気持ち良いと相手にわかってもらう意味でも、近づきたいほうがこのような技術を学ぶのはとても良いと思います。

先日の、トラウマ返しでは、子供が不登校などになって親業を学び、傾聴スキルを練習している人も多いようです

きっと、親がそのような傾聴スキルを使っていた、と思い当たる人も、いると思います。

でも、これも、操作的でないこと信頼のない傾聴は逆に危険であることをしっかりと理解してないと、非常に怖い武器にもなるので注意が必要です。


本音で話し合うための傾聴スキル


前回の動画、トラウマ返しでは、親が子供の話を聞こうと傾聴スキルを学びます。


そこでは、どんなことを学んでいるのでしょうか?


それは、セミナーとかグループワークに参加しないとダメなようです。


また、その書籍で、自分の傾聴スキルを、どうやって測るかを6段階に分けていました。


あなたは、どのレベルでしょうか?



まずは、

1.聞く姿勢すらない


これは、そもそも悩んでもないはずなので論外です。

相手が話しているのに、スマホをいじっていたり、うるさいと応答するような感じです。


2.事柄さえも聞けない


事柄は、今日あったことのような事実の部分です。

私は、「今日、遠足にいってきたよ」と話しかけても「は?」というような感じです。

また、すぐに忘れてしまうのも、聞けてないことになります。


3.事柄は聞ける


2番の事柄、つまり事実は聞けます。

ただ、その人の気持ちとか、どれだけつらい思いをしたかなどはわかりません。

よく合理的に話をまとめてくれる人がいますが、少し物足りないのは、この気持ちの部分でしょう。


4.気持ちを理解しようとはする


つまり、うまくできる時とできない時があるけど、それに気づいていると言うことです。


私は、ここからが、本音で話しあえる可能性があると思ってます。


気持ちを聴けるかどうかのスキルはともかく、聞こうとする姿勢、理解しようとする姿勢はとても大事です。


5.気持ちが理解できる


相手の言っていることまたは言葉にはなくても、その話の流れからどんな気持ちだったか、などが理解できることです。

これが、共感です。


最後に、


6.人生を聞くことができる


これは、ヴィクトールフランクルの生きる意味と似たものがあります。


その人の中心にはどんな思想があって、それをよりどころにしているかです。


ちょっと難しそうですが、誰にでもあるのですが、これに気づかない人も多いのです。


それを、他者から指摘されて、ようやく気づくことはとても多いです。


このように指摘してくれる人は、人生を聞くことができる人なのです。


あなたは、このような人に出会ったことはないでしょうか。


例えば、何気ないプロフィールの一部に注目をして、あなたのこれまでの人生を想像して、理解しようとされた経験などです。


例えば、「こういう業界に、20年働いた」という項目だけで、そ「れは相当な努力があったのでしょう」などです。


ここまでくるのは、相当大変ですが、せめて気持ちが聴けるようになると、相手も安心して本音が言えるようになります。


また、それに伴って、相手も傾聴の素晴らしさに気づいて、話を聞いてくれるようになるかもしれません。


この傾聴スキルは、先ほど聞くスキルの段階があったように、まずは、事柄を聞く練習次に気持ちを聞く練習、そして、人生を聞く練習をします。


最初は、事柄などを正確に理解して、言葉で返すことで、お互いの中に、信頼が生まれ、だんだんと気持ちを開いて会話をするという順番になります。


私が、傾聴を学ぶ中で、一番ためになったのは、「相談しがいのある人になる、1時間で相手を勇気づける方法 」という書籍です。

正直いうと、このおかげで、あるときぐんと傾聴力がアップしたのを感じました。

出し惜しみせずに全てことを、書いてくれているように感じて今でもバイブルにしてます。

記事下にリンクを貼っておきます。

これは、一般の人向けに書かれた本ですが、男性のカウンセラーらしく、すごく具体的に、図解入りで説明してあるので、とてもわかりやすかったです。


例えば、気持ちを聞くにも、うつ状態などのときは、事柄などを正確に聞くというよりも、不安な気持ちなどを邪魔せずに大げさに共感しながら聞いていく、などです。

そして、だんだん元気が出てきたら、今度はスパークといって「ひらめき」のようなものを誘発してもらって、「自分はこうする!」というような決意を促す方法なども、詳しく書かれてます。

人の心理にはいろんな段階があって、それに合わせて、相手が対応を変えていくなどすごく勉強になりました。

こんなとこまで書いて良いの?という感じがしましたが、本当にこのような本はありがたいです。

カウンセラーの卵の方や、カウンセラーの方も勉強になりますよ。きっと。

よかったら、一度読んでみてください。


最後に


最初に、「親の受け止めかたを教えてください」と質問がありました。


前半でも言ったように、関係性によっては非常に危険なこともあります。


例えば、「今は私も立派に自立したから」などと、毒親などに歩み寄ろうとすることもあると思います。

例えば、結婚する時などにそのような機会を設けることもあるでしょう。

このように、歩み寄るときって、結構幸せな状態の時が多くて、そのような時は隙があることを忘れないで欲しいのです。

つまり、昔の傷を忘れてしまうことです。

これは、いろんな利害関係なども絡むので難しいですが、経済的な援助を期待する時などは、流されやすいです。

毒親のほうが何も変わっていなければ、必死で幼い頃の関係性戻そうとするでしょう。

そうすると、しつこく子供扱いなどをされると、生まれた時からやってきたことなので自然に引きづられてしまいます。

すると、やっと自立できたのに、また元の木阿弥となってしまうこともあるからです。

つまり、「相手による」というのは、すごく重要です。

これは、役割ではなく、その人自身がどういう気持ちで、あなたに向き合っているかです。

「こちらが成長すれば、相手の悪影響は受けない」とか

「世の中そんなに悪い人はない」などと、甘く考えると、手痛いしっぺ返しを食うことになります。

だからこそ、どんなに調子が良かったり、良い出会いがあったとしても、全てが好転するとは勘違いしない方が良いです。

逆に「しわせな時間」はほんの一瞬で、その隙を狙って悪い人があなたを狙っているのかもしれません。

特筆したいのは、「しわせな時間」などは、幻想の時間です。それが通常になるとは思わないことです。

それは、恋愛の初期のことを思い出せば、容易にイメージできると思います。

また、相手は同じでも、心境の変化とか、人間としての成長、などがあれば、関係性を変えることはできます。

でも、現在の性格を変えることはできません。


ちょっと前に「共依存の旦那を変えられますか?」と聞かれましたが、「変えられない」と思った方が良いです。

むしろ、共依存の旦那でも一緒にいたいならば一緒にいたら良いし、健康な旦那でも嫌なら別れるでしょう。


もし、最初の質問者のかたが、親とうまくやろうとしても、結果、自分を傷つけることのないように、接しかた、特に「境界」などをしっかりと維持しながら、少しづつ歩み寄ると良いでしょう。

傾聴とは、お互いをちゃんと理解するための会話の方法です。

あなたも、理解されたいように相手も理解されたいのです。


以上で、本音で話し合うための傾聴スキル、を終わります。


ありがとうございました。



2021年1月28日木曜日

トラウマ返しー関係回復への道のりー


あなたは、何か大きな出来事があってそこで立ち止まっていませんか?

今日は、このような心の傷があり対象となる人物などとの関係を改善したいと考えているかたにお伝えしたいと思います。


トラウマ返しとは


トラウマ返しとは、教育心理学者の小野修先生が取り上げたトラウマから回復するための一つの方法です。

このかたの書籍では、主に親の立場で「どう子供のトラウマ返しを受け取るか?」という内容ですが、ここでは子供の立場に立って、お伝えしたいと思います。

もし、親の立場でお悩みのかたはこの書籍をぜひ読んでみてください。

中古なら残っているようです。

あなたは、トラウマ返しをしたような記憶は、ありませんか?

これは、著者によるとこのような内容です。


子供が記憶を遡って、幼少期から現在までの間に、親の言動で傷ついたことを数限りなく列挙し、親を非難・攻撃します。

あるいは、今まで観察し続けてきた親の問題点をズバリと言い当てます。

親としては、すでに記憶はなく非常に驚くことになります。


いかがでしょうか?

妙に突っかかろうとしたり、話しあうというか罵りあうような行動に出たことはないですか?

このような、トラウマ返しを親が受け止めると、子供は延々と話し続けて時には何週間とか、何ヶ月とか話し続けて、その結果元気を取り戻して、改めて自分の人生を歩み始めることになります。

ただ、これには受け止める人が必要なので、うまくいくことは難しいです。

また、このような書籍を読んだりする親などは、意識が高く頭ではわかったつもりになる人も多いので、スキルばかりを磨いて実際には子供の気持ちを全く理解できてなくてさらに子供を、傷つけることもあります。

では、子供はどうしてこのような心の傷を作ったのでしょうか?

一般的には、「親の愛がないと知った時」です。

そして、その確認作業何度も何年も繰り返したあと「やっぱりない」と、どこかで絶望し挫折をします。

このようなことをしている間、親はほとんど気づくことなく何気なく通過していることがほとんどです。

だから、トラウマ返しをされると非常に驚くのです。



問題点としては、心の傷を作った、親本人に加害意識がないことです。

むしろ、「一生懸命やっている」などと自己評価が非常に高いことも大きな特徴です。

本来なら、ここは親子関係のやり直しのチャンスですから向き合うところでしたが、残念ながらこうして未解決のまま時間が過ぎていくことになります。




また、このようにはっきりとトラウマ返しをする人もいれば、無言のトラウマ返しをする人もいます。

これは、睨みつけるとか、ものに当たる・無視をする・病気になるなどです。

なぜ、無言で訴えるのかというと、親が聞く準備がないことに気づいているからです。

だから、「言っても仕方がない」と思い態度や症状で訴えます。

しかし、このような親は、自分のことだと気づくことは稀で子供の症状とか行動ばかりに、目を向け大騒ぎします。

すると、子供はさらに理解してもらえていないと実感し問題児にまでされるのですからたまりません。


トラウマ返しを受け止めない理由

では、なぜトラウマ返しを受け止めないのでしょうか?


一つは、良い親というイメージが壊れてしまうという恐れです。


今まで自分が上の立場で子供が下だったのに、子供の意見を聞けば自分の立場が危うくなると思うのでしょう。

また、もう一つの理由は

取るに足らないことだと思っているからです。

つまり、子供を傷つけていることに全く気づいてないし気づこうともしてないということです。


これも問題ですが、さらに問題が複雑になることもあります。



それは、最初にも言ったように、意識高い系の人はいろんな情報を持ってます。

そして、セミナーなどで聞いてきた情報を元に、口先だけの謝罪などをすることがあります。

これによって、子供はさらに傷つくこともあります。

また、このプロセスを知っていて、さっさと済ますために親から仕掛ける場合もあります。

「何か、言いたいことないの?」などと、トラウマ返しを要求してくるケースです。

これも、子供の繊細な気持ちを無視した小手先の小細工であり、このような考えかたこそが子供を傷つけていることに気づいてないことが本当の問題なのです。

子供が愛を失ったと気づいた理由であるかもしれません。

では、このような共感力がない人をどう理解したらよいでしょうか?


共感力がない人とは?


一つは、感情が固まっている可能性があります。


例えば、「私さえ我慢すれば」と生きてきた人は、本来の感情を我慢して生きてきたはずです。

そのような人は、感情が固まっていることがむしろよいことであり、当然子供などにも同じことを教えます。

このような症状を、失感情症という人もいれば、情緒障害という人もいます。

ちょっと、身近な人のことを思い出してみてください。


感情が働いているかのチェック


5つほど質問をするので、イエスかノーで答えてください。


1.その人が、大笑いしているところをみたことはありますか?


2.その人が鼻歌を歌っているところをみたことはありますか?


3.その人が、大泣きしているところをみたことはありますか?


4.その人が、飛び上がって喜んでいる姿を、みたことはありますか?


5.綺麗な景色を見て感動しているところを、見たことはありますか?


いかがでしょうか?


ノーが多いならば、感情が固まっている可能性があります。


このような感情が固まった人は、冷静であるわけではないのです。

時には突然きれたりするので、爆弾を抱え込んだような状態です。

だから、相手にとってはどうなるかの想像がつかないので、それが恐怖にもなってしまいます。

つまり、感情を我慢することは自分の感情をただ我慢するだけで、コントロールできてないことでもあるのです。

では、このような失感情症や情緒障害を回復していくには、どうしたらよいのでしょうか?



失感情症や情緒障害を回復していくには




本人が気づいていればそれは話が早いです。

逆にそれがないと、回復できません。

今まで、建前だけで生きてきたことを明確化していきます。

つまり、「私って自分の感情を無視して、建前だけで生きてきたな」と実感をすれば、自然と感情を大事にするようになります。

また、人から見られる自分を軸にするのではなく、本音を軸に生き直すことです。

そして、本音を言える相手や環境を見つけていくことです。

このような環境で育つと、その子供も同じように感情を我慢するようになります。

あなたも当てはまるなら、自分の感情について意識するとよいでしょう。

このように、トラウマ返しは子供のつよい決意も当然ですが、親の受け入れ準備がないとうまくいかないものです。

うまくいくかいかないかは、親の気づきと受け止める力です。

もし、可能性がゼロに近いのであれば、カウンセリングやエンカウンターなどでトラウマ返しをすることを、お勧めします。


退行からの育ち直し


退行というと、「子どもがえり」と呼ばれることもあります。

これは、引きこもったり不登校になるのも退行現象です。

ただ、これを見た人たちは、「この人は異常だ」と騒ぎますが、これがまず間違いなのです。

「おかしい」ことを不器用ながらにも「行動」で示していることに、気づくことです。

逆に今までが、過剰適応であったり偽適応であったのです。

その結果、仕事や人間関係で挫折をして未解決の問題にまで戻るのが退行です。

つまり、あなたがトラウマ返しで語りたいことがその(退行の)地点なのです。

そこから、今まで実は発達が停滞していたのに取り繕って生きてきたことになります。

だから、退行現象をしているならそれを「おかしい」とか「直そう」とは思わないことです。

そのことは、まさしく以前の過剰適応であったり偽適応に戻ることを意味します。

そして、できたら、心の傷をつけた相手にトラウマ返しを考えてみてください。

ただ、相手があまりにも受け止める可能性がゼロに近いなら、きっと上手くはいかないはずです。

でも、何度かやって、徐々に受け止めるようになった例もあります。

これは、あなた自身が決めるしかないですが、後悔しないために試しに言ってみるのも、よいと思います。

それに対して、まったくの無反応とか無視をされたらその人は「共感力がない」と諦めることもできます。

つまり、「やるだけやった」と言う達成感は得られます😊

私たちは、できたら最善の方法で最高の結果を求めますが、それが叶わないことを知るのも人間の成長だと思います。


また、このような、未解決の問題に取り組むのに重要なのは、お互いの自立した心だと思います。

自立とは、自分の問題に主体的に取り組むことです。

親ならば、拒否したりせずに自分に不満を持った人の不満を受け止めてみることです。

また、子供ならば、「どうしてくれるんだ?」気持ちから「私はどうしようか」という気持ちになることです。

これがないまま形だけの解決を目指すと、時間だけの浪費となってしまいます。


例えば、よい子などは、親の期待に応えるように育てられます。

そして、社会に出ても誰からの期待にも答えようとして、どこかで利用されることになります。

そして、挫折をしますが、そのことで多くのことを学びます。

「実は、期待に応えることで、愛という報酬を求めていたんだな」というような気づきです。

そして、その辺の他者に対する期待を捨てて「主体的に生きよう」となるのです。

これが自立です。

これは、親などの育ちにもきっと問題があって、親が子供について取りくもうとすると自分の問題があらわになって驚くことがあります。

それだけ問題は複雑化しており、何代もの世代にまたがるものなのです。



最後に

今回は、トラウマ返しについて話しましたが、ただ言いたいことを言い放つのでは、復讐に似たものになってしまいます。

復讐ではなく、トラウマ返しの後に関係性の改善を望むのであれば、大切なことがあります。

それは、最初にも言いましたが、建前をやめて本音に戻る(なる)ことです。

機能不全家族などは、きっと家族全員が建前で生きてます。

多くは父親から始まり、母親もそうなって子供にも伝わっていきます。

この建前を全員がやめなくては、きっと機能することはないでしょう。

そして、まず誰が先陣を切るのかです。

それは、まさしく気が付いた人です。

多くの人は、建前の関係が当たり前だと思って、死んでいくのでしょう。

でも、もしあなたがそれに気づいたなら、自分から本音で生きるスタートを切ることです。

そして、「これから接する人は本音を語り会える人だけ」くらいに決意しておけば、「それを反対しようとする人は、建前人間なんだから切り捨てても良いのだ」くらいに思ってください。


父親も母親も子供も全員その作業がなかったので、正常な人がおかしくなったのです。

つまり正常な人はIPです。

IP(identified patient)

一人ひとりを家族システムを構成するメンバーととらえる家族療法では、問題や症状を訴える人のことを、家族の問題を代表して病気になった人という意味をこめてIP(患者とみなされた人)と呼ぶ。

つまり、トラウマ返しとは、IPが行動で示してきたものを、言語化したことになります。

これは、やる方も見事な進化ですし、これを受け止めないのはかなり残念なことなのです。


もし、あなたにパワーがあるなら、トラウマ返しをして本音の関わりを試してみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


動画になります




2021年1月23日土曜日

消えない過去をどう生きるか? PTGについて


あなたには、消えない過去が、ありますか?


簡単にいうと、記憶にしまっておけないような心の傷です。


今日は、このような過去の傷をどうやって乗りこえ、自分の成長につなげていくかを、考えていきたいと思います。


では、早速行きましょう。


もがくというプロセス


あなたには、忘れられない過去の傷はありますか?

これは、十人十色で、人によっていろんな原因によって今の生活に支障が出ていることなど全てのことです。

日本では災害も多いので、災害の傷がまだ癒えてない人も多いと思います。

そのような人は、小さな地震とか嵐などにも混乱してしまうこともあるでしょう。

また、人間関係の傷もあります。

例えば、コメントでもいただきましたが、子供の頃に見た両親の諍いによって、家族の闇を知り病んでしまったなどです。

また、人によっては、まだその混乱の中に、苦しんでいる人もいるでしょう。

そうかと思えば、自分で解決への道を歩みだしている人もいると思います。

このように、人によってプロセスは違いますが、このようなトラウマへの取り組みの一例として、今日はPTGをご紹介します。



PTGの意味は・・・


Pは、ポスト・・・つまり「何々の後に」という意味です。


Tは、「トラウマ」です。


最後のGは、グロース・・・つまり、「成長」です。

TKGではありません・・・🥚

これを合わせると、「トラウマのあとに成長する」という意味です。

多くの方は、トラウマの中で、苦しんでいると思います。

このように、苦しみの中でもがくというのも、このPTGでは重要なプロセスです。


だから、無理に先を急がずに「こんな方法もあるのだ」くらいの気持ちで聞いてください。

ところで、あなたはこのような言葉を聞いたことがあるでしょうか?



艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)


これは、このような意味があります。


人生で遭遇する苦しみや悲しみが人を磨く、という意味です。


また、このような経験によって一般論とは全く違う、自分独自の考えを持つようになった人も多くいます。

このように、傷を負う前とは全く違う考え方をするようになることも、PTGの効果です。

では、さっきも言いましたが「もがく」とは、何をしたら良いのでしょうか?


これは、シンプルにいうと、「自分なりにあれこれやってみること」です。


ネットで調べたり人に聞いたりして、あれこれやってみることです。


でも、あれこれやってみることで、うまくいくことが目的ではないと思ってます。


このあれこれやる意味は、自分ができないことや、自分の限界を見極めるために必要なのです。


そして、いろいろ調べて試行錯誤して、「私は頑張りすぎていた」とか、「誰かの期待に応えすぎていた」「我慢してきた」などと、気づくことが大事です。


多くの人は、話を聞く人を間違えて、さらにあなたを苦しめるような一般的な価値観で、応えられてしまいます。


できたら、いろんな意見を調べることで、自分の価値観のようなものを整理して欲しいと思います。


そして、自分の限界をしっかりと守ることです。


「私はここまでしかできない」「それ以上は無理」とです。

これは、能力とかやる気ではなく、自分を大切にするという視点での話です。

また、この限界以上を求める人から離れるだけで、あなたはこの先、新たに傷を作ることはかなり減るはずです。


トラウマのプロセス

では、私たちは過去の傷から、どのようなプロセスを歩むのでしょうか。

この図のように進みます。

まず、大きな出来事が起きます。

次に、中核的信念が揺さぶられます。

これは、例えば「家族は愛がある」とか「世の中は平和だ」など、その人が持っている軸の部分の考えかたです。

次に、基本的世界観が崩壊します。

これは、先ほどの「家族は愛がある」とか「世の中は平和だ」という世界観は「違っていたと痛感した」などです。

そして、この中核的信念と基本的世界観を、作り直すことがPTGの目的でもあります。

この、中核的信念と基本的世界観を作り直すのは、前に戻ることではないのがポイントです。

例えば、家族の中で罵り合ってるような経験がある場合「家族は愛がある」というのは、現実とはかけ離れていることがわかります。

つまり、「愛のある家族もあるが、自分の家族は違った」というのが正解ではないでしょうか。

そうなのに、無理に以前の信念である、「家族は愛がある」に戻ろうとすると、そこに「嘘」が生まれます。

嘘とは、自分に対する嘘です。

これが何よりも、苦しみの元になると私は思ってます。

つまり、「愛のある家族もあるが、自分の家族は違った。でも私は愛のある家庭を築きたい」という信念などに、新たに作り直すということです。

こう考えると、PTGは、人生観を変えるという試みでもあるのです。

それは、他者の人生観をそのまま受け入れずに、自分なりに作っていこうという作業があるから、苦しく もがくのです。


傷を成長に変えるプロセス


PTGは、精神的なもがきのことです。

これは、とても意味があるものです。

幼虫が脱皮するときは、苦しいのでしょうか?

でも、苦しかったとしても脱皮をやめる幼虫はきっといないでしょう。

なぜなら、成長したいという本能があるからです。

もちろん、精神的でも脱皮するには痛みが伴います。

だから、自分の症状とかタイミングを計るのは、とても大事です。

その上で、どんなことをしていけば良いでしょうか?


1.コーピングを探す



これは、対処法を探してみることです。

例えば、情報集めとか解決までのプロセスを大雑把に知っておくなどです。

これは、このブログや動画も利用していただけると思います。

また、経験者に聞くことも重要です。

災害体験者や同じようなトラウマを持つ人などです。

また、専門家の治療などを受けることも選択肢としてあるでしょう。

自分の症状とか状況、タイミングによってあれこれ探したり試してみてください。


2.自分に向き合う



これは、実際に起きたことや現状などを、少し客観視してみることです。

トラウマを、受け入れられない人や受け入れようとする人など、いろいろだと思います。

「どうやって受け止めれば良いか」などを考えます。

また、「このような経験をした自分をどう受け止めるか」も大事です。

「自分が悪い」と結論づけるのか、それとも「仕方がなかった」と結論づけるのかです。

また、人によってはストレスから意識的に離れることも、重要です。


3.話す

これは、話したくないのに無理に話したり、話せと言われて話すようなことは、絶対にやめてください。

あなたが、話したい聞いてもらいたいと思った時は、誰に話すかまたは、ブログなどで発信するのかなどを、あれこれ考えてみてください。

これができてなくて、消化不良のままで生きている人が、すごく多いように感じます。

話せる人がいるなら、時間などの枠などをしっかりと決めてから、話を聞いてもらうようにしてください。

ルール作りをしないと、ついつい依存してしまいそうになります。


4.意味を考える


これは、「起きたことには意味がある」という思考です。

でも、あなたの責任という話ではありません。

「なぜ、このときこんな状況に自分がおかれることになったのか?神さまがいるならどういう意図なのか?」などを考えてみると良いでしょう。


いかがでしょうか。


考えたら、当たり前のことですが、自分はどこの段階で立ち止まっているのか?などを振り返る機会にしてはいかがでしょうか。


PTGを邪魔する最大の力


ところで、今回お伝えしたPTGを邪魔する最大の力とは、何だと思いますか?


それは、自分の中の心の葛藤です。


葛藤とは、違う意見が自分の中で、ごちゃごちゃしていて統一できてないことです。

迷いとか止めようとする力です。

やろうとしたら、「やめとけ」という声がしたり、外部の声を安易に受け止めたりすることです。

そのような時は、このような言葉を思い出してみてください。


1.あなたを傷つけた存在を心の底から許せたら、それが成長。


2.許せたら楽かもしれないけど、楽な道をあえて選ばないのも、成長


3.許す、許さないについて、自分の気持ちに正直であることが、成長


4.許す、許さないにとらわれないことが、成長


5.受け入れられたら成長、受け入れないでいることも成長


6.許す、許さない 受け入れる、受け入れないという思考から自由になるのも、成長。

(記事下書籍参照)


いかがでしょうか。


つまり、あなたがどのような結論を出しても良いし 許さなくても 受け入れなくても、それは成長なのです。

なぜなら、過去の傷の前であなたが考えた結果だからです。

過去の傷に自分が向き合ったからこそ、その試行錯誤の上で出した結果は意味があるのです。

まさに最初に例えたように、玉が磨かれているようなイメージです。



それを変えられる人は、誰もいないのです。


以上で、消えない過去をどう生きるか?を終わります。


ありがとうございました。



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動画でも詳しく説明してます。


2021年1月20日水曜日

マインド・コントロールの解き方


あなたは、マインドコントロールにかかりやすいですか?


マインドコントロールとは、怪しい宗教だけでなく家族や学校でも毎日のようにあることです。

つまり、人の思考や感情に影響を及ぼして支配者の思い通りに行動を支配することです。

だから、家族内に支配者がいてそれにみんなが従うようなのもマインドコントロールになります。

今日は、どのような人がマインドコントロールをするのか、または、マインドコントロールにかかりやすい人の特徴などをみていきます。


マインドコントロールとは


先日、私はペットではない!過干渉の闇、という動画を出した時、結構 反論をするかたもいました。

「わかったけど、できない」というようなものです。

例えば、「ペットではないと言っても効果がない、むしろ親に気づいて欲しい」というような意見もありました。

この時に、もしかするとこのかたなどは、「親のマインドコントロール下にあるのかも」と感じました。

今日は、そのマインドコントロールについて、一般的に言われるような恐ろしいことではなく、誰にでも身近なものであることを、理解してもらいどうしたら良いかを考えます。

ところで、ツイッターで、このようにつぶやきました。



アリエル・メアリというイスラエルの心理学者は、マインドコントロールを「人を追い詰めるトンネル」と言いました。




トンネルといえば、暗くて長くて酸素も少なくて「早く出たい」と思いませんか?

このトンネルはたとえですが、私たちはこのトンネルのような条件が整うとマインドコントロールされやすくなるということです。


トンネルの条件としては、


1.外部からの遮断

外から介入しにくい家庭やいじめグループなどは、問題が深刻化していきます。


2.一つのことに集中する(視野狭窄)

これは、小さな集団の中の支配者の指示によって何かをさせられたりして、それに対する不満なども言えなくなってきます。

よく、学校とかブラック企業などではよくあることです。

そして、その中でのルールとか価値観が内在化して、その人の全てになっていきます。


また、このトンネルから抜け出せない理由は

まず、集団の圧力があります。

また、存在価値を証明しようとする、自己実現の願望によってトンネルから出る決意ができなくなります。

つまり、家庭や学校などはこのようなトンネルの状態になりやすい土台があるということがわかります。



マインドコントロールをしようとする人の特徴


では、このようなマインドコントロールをしようとする人は、どんな人でしょうか?

さっきから、支配者と言ってますが、まさに支配者であることです。

それは、支配力があるとかリーダーシップがある、というような「能力がある」という意味ではなく、その集団では支配力を発揮しているということです。

きっと、自らが手をあげて支配者になったのだと思います。

このように、マインドコントロールをする人の特徴を、三つあげます。


1.優位性


さっきも言ったように、小さな集団の中で優位にいることです。

家族内であれば、夫婦の関係でつよいほうが優位に立ち、子供達もそれに従うようになります。


2.弱者に対する思いやりや倫理観の欠如


本来のリーダーなら、弱者を助けたり皆にも助けるように促すものですが、そのような感覚がないということです。

共感性の欠如です。

本来はこのような人はリーダーになれませんが、小さなグループや機能してない集団なら、リーダーになれることがあります。

つまり、このタイプは支配の快楽とか欲望に溺れてしまう人です。


3.支配が中毒になっている

だから、いつまでもやめられずに暴走しやすいです。


これを聞いていて、何かに共通点を感じたかもしれません。

このマインドコントロールをする人は、自己愛が欠如した人にとても似てます。



愛着障害などの記事もあとでご覧ください。

愛着障害の人は、自己愛が欠如した親などに育てられた場合に見られる性格傾向です。

つまり、自己愛の欠如した人は、それを満たすために自己愛を極端に求める傾向があり、また、共感性の欠如があるので人の痛みがわからないので、コントロールの手を緩めないのです。


まさに、マインドコントロールする人とそっくりなのです。


このように、リーダーが役割を果たさない集団はいずれ崩壊しますが、これを支える人の存在によって保たれることもあります。

つまり、アルコール中毒者にくっついている共依存者を離すことが、アル中から立ち直る一歩になることがあるように、マインドコントロールも、このような組み合わせによって出来上がるということを知っておくのは大事です。

「私がいないと」と思うのは、本当のところは自分が離れられないのかもしれません。


マインドコントロールされている人の特徴


では次に、マインドコントロールされている人はどのような人でしょうか。


1.依存性

マインドコントロールされる人の、大きな特徴は依存性です。

いわゆる依存性パーソナリティーかもしれません。

特徴は、ノーと言えない、主体性がない、周囲への気遣いをしすぎる、などです。

あなたは当てはまりますか?

なぜ、依存性の高い人がマインドコントロールをされやすいかというと、マインドコントロールの目的は・・・


主体的に考えることを許さずに 絶対的な受動状態を作り出す


ということが目的だからです。


だから、「自分で何もできない」と悩んでいる人は、実はマインドコントロールをされている状態なのかもしれません。


また、マインドコントロールされる人の、大きな特徴の二つ目は、


2.暗示にかかりやすい人


例えば、

1.人の言葉を真に受けやすい

2.信心深く、迷信などを信じる人

3.大げさな話や、虚言癖がある人 など


これは、逆に暗示されたことを自分でも勧めるという特徴にもなります。


また、マインドコントロールされる人の大きな特徴の三つ目は、


3.心が弱っているとき

これは、離婚した時に勧誘がくるというのは納得できます。



マインドコントロールの解き方


マインドコントロールをする人の特徴として、「支配が中毒」になっているように、このような状態、何かの依存症と同じことですから、相手によくなってもらうとか気づいてもらうというのは正直なところすごく難しいです。

これは、「愛があるから支配したい」とか、「独り占めしたい」というより、「自分の支配欲を満たしたい」「自己愛を満たしたい」という気持ちからくるものだからです。

だから、周りがいくら期待をしても「今度こそは成功させてやる」とさらにマインドコンロールを仕掛けたりするでしょう。

これは、サイコパスの特徴にも似てますが、誰にでも性善説は通用しないと知ることです。

これを知っておかないと、ずっとマインドコントロールの犠牲になってしまいます。

それよりは、支配する人と支配される人の組み合わせを解体する方が、よっぽどお互いのためになります。

では、初めにこれから会う人から、マインドコントロールを受けないために、知っておきたいことをお伝えします。


これから会う人にマインドコントロールを受けないために


もし、はじめて話す人などから、マインドコントロールされたくない人は、先ほども言ったように、暗示などにかからないということです。

暗示というと特別な感じですが、すぐに相手の話を鵜呑みにするようだと気づかれたら、支配者は心の中でニヤリとするはずです。

また、マインドコントロールをする人は、「いかに効率的に引っかかる人を探そうか」と、考えてます。

支配者はグズグズするのは苦手です。

だから、最初の会話で「この人は暗示にかかりにくい人だ」と思わせれば、意外にあっさりとすぐに離れていくでしょう。

特に、依存性パーソナリティーの人は、依存心が出てきたりするとこちらから懐いていくようなことがあるほど警戒心が少ないので、この時点で相手の手中にはまらないように、相手の人柄がわかるまでは、観察をするようにしてください。

また、心が弱っていることを安易に知らない人などに言わないことです。


家族などからのマインドコントロールを解く


では、すでに家族などからマインドコントロールされている場合は、どうしたら良いでしょうか。

さっきも言いましたが、マインドコントロールは、お互いの自己愛とすごく関係してます。

つまり、マインドコントロールをする人も自己愛に傷があり、マインドコントロールを受ける人も自己愛に傷があります。

だから、同情してしまうこともあると思います。

でも、このような同情すらもマインドコントロールをする人にとっては、好都合だということです。

ただ、この出口のないトンネルから抜け出したいならば、同情していては無理です。

まず、自分の置かれた立場や今までやられたこと、今までの人生を振り返ってみることです。


マインドコントロールを解く手順


マインドコントロールを解く手順としては、


1.望んだ自分の存在を知る


これは、非常に難しいのですが、マインドコントロールを受けやすい人の特徴でも言いましたが、その人の中に、誰かに頼りたい引っ張ってほしいというような、「依存性がある」ということです。

例えば、恋愛などでも、気の弱い人がつよい人に惹かれるようなものです。

この自分の気持ちを肯定して認めないと、マインドコントロールを解くのは非常に難しくなります。


2.相反する気持ち(両価的感情)を言葉にしていく

これは、「誰かに頼りたい」と「自立して生きていきたい」というような、反対の気持ちです。

これが、今は共存して混乱している状態です。

自分の中で正反対の気持ちが、綱引きをしているような状態です。

これを、どっちかにしないと自分が苦しみます。

それをはっきりさせる方法として・・・

ノートなどに二つの気持ちを、どんどん書いていってください。

そして、「最終的には自分はどっちを選ぶのか」を自分で決めることになります。

このように、相反する気持ちを言葉でアウトプットしていくと、マインドコントロールをする人の支配力は衰えていきます

もちろん、これはあなたの心の中での話です。

コントロールされるのではなく、自分で自分をコントロールするという気持ちに近づきます。


物理的に離れる

また、物理的に離れることも意味があります。

このような、本来すでに破綻している関係は、物理的に離れると驚くほどあっさりと現実的にも破綻することが多いです。

理由は、支配者は自分のことばかりを考えているので、気づいてしまって離れようとする相手を追うよりも「次のターゲットを探そう」「その方がはやい」となるのです。

これは、さっきも言いましたが「いかに効率よく」ということを、支配者は考えているからです。

もし、「それができない」と思ったなら、相手のことよりも自分の中の依存性などに取り組むと良いです。


3.自己価値を回復していく


具体的にどうやって、マインドコントロールのトンネルから出て、どうやって生活していくかを計画し行動に移していきます。

これをするのが大変で、実はマインドコントロールを受けているということもあると思います。

でも、少しづつ進めればできないことはないと思います。




最後に


今回、マインドコントロールの話をしましたが、マインドコントロールという言葉の次に、多く出てきたのは、「自己愛」ではないでしょうか。


結局は、「自己愛の欠如した人間が、自己愛のバランスの悪い子供などを支配していく」というカラクリでした。

では、この自己愛とは、どんなものでしょうか。

コフートは、自己愛は二つの要素があると言います。


一つは、自らが神のような存在でありたいと願う気持ちです。

もう一つは、理想化された親のイマーゴ、です。

イマーゴとは、イメージのことです。

つまり、自分は1番のように神にはなれなくても、親を神としてあがめ願望を投影してしまうことです。

簡単にいうと、親をかいかぶって「素晴らしい人だ」と思い込むことです。

これによって、いつまでもマインドコントロールに気づかずに、理想化をし続けてしまう人も、多いように思います。

まずは、気づくことから始まります。

ありがとうございました。





2021年1月18日月曜日

本当の親孝行とは?


あなたは、親孝行をしてますか?


または、親孝行を強要されて「つらい」と感じることはありますか?


今日は自分の人生を自分で歩いていないように感じるかたへ、お送りしたいと思います。


もし、自分よりも親などを優先していると思ったかたは、当てはまると思います。


親孝行の三大原則


こちらにも、多くの悩めるかたがその出口を探していると思います。


でも、出口まで近づくと「そっちには行くな」というような声が聞こえないでしょうか?


この声の主は誰でしょうか?


きっと、あなたは分かっているはずです。


あなたを操作し自由にさせてくれない人です。


・・・親の存在ではないでしょうか。


また、今の時点で親などから直接言われているかたもいると思いますが、すでに親などが亡くなっていたり遠方に住んでいても、まだそのような声が聞こえるなら、あなたの中に内在化してしまった可能性があります。

また、親戚などが親の代わりになって、同じようなことを言ってくるかもしれません。

しかし、なぜ、ここまで親の声は、これほどまでに効き目があるのでしょうか?

それは、さっきも内在化と言いましたが、かなり長期的に、そして巧妙な洗脳によって、あなたは支配された状態になっているからだと思います。

この洗脳から、脱出したいですよね。

そのためには、まずは、あなたが「おかしい」と思っている気持ちに、自信を持つ必要があります。

そして、どんなに脅しや同情などの作戦にあっても、自分の意思を曲げないことです。

ここにたどり着くことが、どれだけ難しいか・・・なのです。

私はそんな人たちが自信を持って、前を向いていけるようにと考えています。


親孝行の三大原則はこのようなものになります。


これは、毒親カウンセラーと名乗られている、親子療法協会の影宮竜也氏の「毒親からの完全開放」という書籍から親孝行の三大原則について引用させてもらいます。


ちなみに、著者は、毒親である母親から訴えられたという経験と、その毒親と対決をして、絶縁という結果を得たことによって、カウンセリングを現在もやっているということです。

ブログをのぞいたら、現在も多くのスタッフとともに、活躍されているようです。



親孝行の三大原則


1.親孝行とは、親が喜ぶことをするのではなく子供が親を乗り越えて自立する姿を見せることである。


2.親孝行とは、自分の力で夢を叶えていく姿を見せていくこと。

親の願望を、子供が叶えなければいけない道理はない


3.親孝行とは、子供が自発的に行うもの。

強制する親にまともな親はいない


ということです。


もし、あなたが「親の願望を叶えることが大切だ」とか「親から親孝行を強制されている」なら「おかしい」と気づくチャンスです。


ただ、考えてみたら、このような人がほとんどのような気がします。


つまり、一般的な考えかたはこの三大原則の逆です。


一般的な(間違った)、親孝行の三大原則は、こうではないでしょうか?

親孝行とは、親が喜ぶことをすることである。

親孝行とは、親の願望を子供が叶えなければならない。

親孝行とは、子供が自発的に行うものだがそれがなければ親が強制するべきだ。


このような慣習が、今でも続いているように思います。


もしかすると、毒親などはこの慣習を利用して心が通じ合わない子供に、無理に恐喝をしているのかもしれません。


もし、あなたが毒親で悩んでいて、カウンセリングを受けたいなら、このような信念を持つカウンセラーが良いと思います。


信念は、気持ちや行動にあらわれるからです。

また、信念とか価値観はいくらトレーニングを積んでも、変わるものではないからです。

実際に、カウンセリングに行くと、そこには当然ですが、普通の人間が目の前に座ることになります。

そのひとの考えかたが、さっきのような間違った親孝行の三大原則であるなら、あなたの思いはきっと受けとめてもらえないでしょう。

きっと、親や親戚などと同じようなことを言って説教をしだす人も、多いと思います。

すると、あなたはさらに傷ついてしまう可能性があります。

もし、毒親に悩んでいて対決という方法を考えているなら、この著者などを調べてみてはいかがでしょうか。



自分の人生を生きるには


「自分らしく生きる」という言葉は頻繁に使われていますが、どうしてここまで生きにくい社会なのでしょうか。

ところで、あなたはこのようなことを言われたことがあるでしょうか。

例えば、

「親子であれば、分かり合えるはず」とか。


「血は水より濃いのだから、云々」とか。


「親の愛は、かけがえのないものよ」などです。


このような言葉を聞いた時、どんな気持ちがするでしょうか。

もし、混乱したり、自分の気持ちを抑えようとしたり、または、自分の価値観などを曲げようとしてしまうなら、あなたは洗脳されている可能性があります。

そして、あなたがあなたらしい選択や判断をしそうになると、この洗脳の塗り直しをされているはずです。

例えば、あなたがやりたいことをやろうとした時、大した理由もないのに反対されることはないでしょうか?

なぜ反対するかわかりますか?

それは、反対する人にとってのメリットがないからです。

もしくは、デメリットになるかも、と思って反対するのです。

つまり、自分目線でしかあなたのすることを、考えることしかできない可能性があります。

これは、親子にしても他人との関係にしても同じことですが、自分が決めたことを反対したり邪魔をする人は、「危険だと」思ったほうが良いです。

多くの場合、「あなたのことを心配して・・・」などと言いますが、本当にそうなら失敗するまでを見守るはずです。

そして失敗した時に、セーフティネットになってあげることが、本当の愛です。

やる前から、失敗すると反対するのは自分になんの得もないからです。

どうでしょうか。

だんだんと、親などの洗脳にかかっている自分が、馬鹿らしくなってきませんか?

また、先ほどの影宮氏によれば、毒親の中でも特にサイコパス型の親は「絶縁しかない」と言ってます。


サイコパス型とは・・


このような特徴があります。

このようなサイコパスは、よく言われるようにひとの痛みが全くわからないので、そのような人に期待をしても無駄だし期待されたことを逆に利用しようと思う人格なのです。

このようなサイコパスは、遺伝的なものかもしくは生まれてすぐに心に大きな傷を負っている可能性があるので、変えられないのです。

もし、このような親であれば、まずは自分の身を守らないとあなたが身を滅ぼすことになりかねません。

では、毒親からの洗脳から脱して自分の人生を歩むようになると、どのようなことが起きるでしょうか。


1.毒親の呪縛から開放される


もし、この想いに自信が持てないなら、こう自問自答してください。


親は、自分に無償の愛をくれたか?


どう考えても見当たらないなら、それは、愛ではなかったのかもしれません。


2.心の病が消える


毒親の家庭では、あなたがいかに自分を犠牲にして家族を優先してきたかに気づくことが大事です。

しかも、奴隷のようにです。

また、親が原因の問題について同情してしまい、「つよく言えない」と悩む人がいます。


このような人は、まず、「自分は自分、あなたはあなた」(ゲシュタルトの誓い)という言葉を思い出してください。

つまり、自分の問題は自分にしか解決できず、親の問題は親にしか解決できないのです。

この原点に戻ります。


3.人間関係が劇的に変わる


もし、いつも家庭の問題で悩んでいるなら、深い悲しみと怒りの感情に支配されていると思います。

そこから、飛び立つことで気持ちは軽くなり、楽しいことに目が行くようになります。

自分が楽しむことの、罪悪感が薄れるのです。


4.本当に自分の望むものに出会える


今まで、毒親の本当の姿、機能不全家族の真実に目を伏せていたのであれば、真実を見ることはショックだと思います。

でも、それを一度みてしまえば、もう目を伏せる必要も無くなります。

つまり、真実を見ないようにするエネルギーを、自分が興味のあるほうへ向けることができるようになります。



最後に・・・

先日も言いましたが、年末年始で家族が揃う時などに、家族の問題が表面化して最悪の場合、殺人事件などに発展することがあります。

ちなみに、「殺人事件の半数は家族などの中で起きる」という統計があるほど、家族内の揉め事は危険が多いのが現状です。

閉じられた空間で逃げられないのが、大きな原因だと思います。

つまり、このような最悪の事態を避けるためなら、極端な話・・他の選択肢はなんでも良いと思います。

何をするのかは自己責任ですから、自分なりに決めたら良いのですが、それについて「罪悪感を覚える必要はない」と思います。

そもそも、あなたの今までの経験や気持ちの全てを知っている人は、きっといないはずです。

だから、あなたの決めたことに、あれこれとアドバイスや文句を言える人などいないのです。

どうか、でしゃばりで無神経な人に振り回されずに、冷静に判断をしてください。

以上で、本当の親孝行とは?、を終わります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


文中でご紹介した毒親カウンセラーの書籍になります。



2021年1月9日土曜日

家族統合法(後半)ークリッツバーグー

 


今回は、AC(アダルトチルドレン)が自分の育った環境をしっかりと見つめ直すためのワークをお伝えします。

著書は、アダルトチルドレン・シンドロームと言います。


すでに絶版になっているようですが、中古とか新古などではまだあります。

よかったら、探して読んでみてください。


さて、前半では家族統合法の11項目の3番までをやりました。

まだ読まれていない方は、前半からご覧ください(前半へ

今回は、4番から進めていきます。

  1. 日々の記録
  2. 家系図
  3. 家族状況表
  4. 家族の神話
  5. 生い立ち
  6. 魔法の子供
  7. 家族の成員
  8. 家族以外の重要な人々
  9. 自己肯定訓練
  10. 神についての考察
  11. 統合



4.家族の神話

あなたが生まれ育った家族には、今でも語り続けているようなエピソードなどはありますか?

ACや機能不全家族には、4つのルール(硬直,沈黙,否認,孤立)があるので、そのようなエピソードも歪んで伝えられることも多く、真実を見ることができませんでした。

ですから、今こそこの家族の中の神話を確かめてみてください。

よくある神話は、「うちはまともだ」とか「正常だ」と言った神話です。

このように、あえて当たり前のことを口に出しているのは、おかしいのです。

つまり、本当のところは「うちはおかしい」とか「正常ではない」という暗黙の真実があります。

それを隠すために、逆の神話を作っている可能性があります。

ACや機能不全家族の場合、両親が不仲であるか、どちらかが強力な支配者となって、もう一人は迎合するような場合もあります。

このような場合は、例えば夫が妻を崇拝するような神話を作り上げます。

例えば「お母さんの手料理はうまい」👈明らかに下手な場合でも。

「お母さんは良い妻だ」👈いつも部屋に籠っているような場合でも。

このような事実と言っていることが違う場合、子供は混乱します。

このような偽りの神話に騙され、そして表面的な家庭内の幸せを継続させるために、騙され続けるために、子供は感情を鈍化させる必要が出てきます。

ここの項目では、あなたの家にあったこのような神話を書いてみてください。

また、今は思い出さなくても、思い出したらこのページに戻って書いてください。




5.生い立ち


次に、生い立ちの項目です。

生い立ちとは、その名の通りで、あなたの自分の生い立ちを書いていきます。

ACや機能不全家族育ちには、生い立ちの記憶が少ないことが多いです。

それだけ、当時が苦痛だったからです。

この項目の目的は、次の二つです。

  1. 失われた子供時代の記憶を取り戻すこと
  2. その記憶に残っているトラウマを癒すこと

になります。

きっと、ACや機能不全家族育ちの場合、何か事件などが起きたとしても、その問題は解決されないまま放置されてきたはずです。

このような未解決の問題とそれをみないことにする為の抑圧は、ずっと心をむしばみ続けます。

こうした感情が処理されて初めて、行動が変化し、考え方や感じ方の古いパターンが打ち破られ、より健康的な生き方や対人関係が生まれます。

詳しくは、クリッツバーグの書籍をご覧いただきたいと思いますが、今回は重要な点だけお伝えします。

ここでは、節目になった出来事を思い出します。

気持ちが安定しているときに、少し目を閉じたりして、過去を思い出してみてください。

あなたの数十年の歴史の中で、あなたがACや機能不全家族育ちだと認識するに至った、大きな心の変化をもたらすことがあったはずです。

もし、思い浮かんだらルーズリーフを手に取ってください。

その方法をお伝えします。

1.ルーズリーフの1ページに日付を入れます。
2.取り上げたい出来事のタイトルを入れます。
3.この5つの問いに答えてください。
 (1)この頃私はどこで暮らしていたか?
 (2)この頃私は誰と暮らしていたか?
 (3)この頃私にとって重要だったのは何か?
 (4)この頃私が恐れていたのは何か?
 (5)この頃私の友達だったのは誰か?

いかがでしょうか。
これも、一回で全てを思い出すのではなく、思い出した時にこの項目を開いて記入するようにしてください。

こうして、過去の記憶を掘り起こすことで、断絶された記憶の空白を埋めることになって、過去と今がつながっていることに気がつきます。

それによって、記憶をなくす為、もしくは辛い思いを味わわないためにやってきた、思考や行動パターンを終えることができ、また終えることで新しい思考や行動パターンを作っていくことが可能になります。



6.魔法の子供


次の項目は、魔法の子供です。

あなたにとって、理解しやすいのは「インナーチャイルド」という言葉かもしれません。

このインナーチャイルドは、どんな表情をしているでしょうか?

どんな気持ちでいるでしょうか?

ACや機能不全家族育ちのインナーチャイルドは、危険な環境の中で、まずは生き延びること、危険から身を守ることを考えてきました。

でも、本当は疲れ果てるまで遊びたかったし、わがままも言いたかったはずです。

このインナーチャイルドが今まで我慢してきた「本当の欲求」を叶えてあげることが大事です。

そのためには、この項目で、インナーチャイルドの声を聞くことが大切になります。

その為の方法としては・・

  1. インナーチャイルドに手紙を書く
  2. インナーチャイルドと今のあなたが対話をする

この2つです。

では、まず最初に手紙を書いてみます。

ルーズリーフの1枚を取り出して、まずは日付を書いてから、インナーチャイルドに手紙を書いてください。

もし、あなたの気持ちをインナーチャイルドに伝えることができたら、今度はインナーチャイルドからの返信を書いてみます。

この時に、もしあなたが右利きなら、左手にペンを持って返信してみてください。

たどたどしい文字になりますが、素直な気持ちを取り戻せるかもしれません。

次に、二番の対話をしてみます。

対話は、実際に語るのは難しいですが、ルーズリーフに脚本のように、大人の私と子供の私、というように、役割を先に書いて対話をするような文で書いていくと、うまくいきます。

例えば、

大人の私:こんにちは!子供の私さん。

子供の私:こんにちは!大人の私さん。

このように進めていきます。

特に今でも残っているわだかまりとか、罪悪感などについて、対話をしてみると良いです。

そして、抑圧された子供の私が、感情を解放するように、「ここではなんでも言っていいよ」などと支えてあげましょう。




7.家族の成員


ここでは、あなたにとって重要な人物へ手紙を書き、そして対話をするというステップです。

前の6番では自分と対話しましたが、今度は親などとの対話です。

なんども言っているように、ACや機能不全家族には、未解決の問題ばかりです。

そもそも、問題を解決しようとしないから、ACや機能不全家族になったとも言えます。

このような根本的な問題を解決するためにも、家族の成員との対話は大切です。

ただ、ここでは実際の家族と対話することがゴールではありません。

なぜなら、このワークは家族のためではなく、あなたの為のものだからです。

もし、このような対話に付き合ってくれる家族だったなら、あなたはここまで苦しむことはなかったはずです。

だから、そんな人たちはほっておいて、自分が生きやすくなることを考えてください。

では、ここで何をするかをお伝えします。


1.あなたにとって重要な人物の「生い立ち」を箇条書きする。
2.ルーズリーフで対話をする。
3.ルーズリーフで手紙を書く。


このようになります。

1.あなたにとって重要な人物の「生い立ち」を箇条書きする。

「その人の生い立ちなんて知らない」と思うかもしれませんが、知っている範囲内で結構です。

例えば、何年に生まれた、何年に結婚した、何年に子供が生まれた、何年に死んだ、などです。

ただ、年順に書くというルールはなく、思い出したら書き加えていってください。

2.ルーズリーフで対話をする。
3.ルーズリーフで手紙を書く。

こちらは、前項で自分との対話と、インナーチャイルドへの手紙と同じ要領です。

このような対話や手紙は、今まで抑圧してきた感情を解放し、肯定するために非常に重要な方法です。

きっと、私よりセンスのある方達だと思っているので、ぜひ怒りの手紙なら怒ったイラストを入れたり、おどろおどろしい文字で書くなど工夫をして、盛り上げてください。

ここでは誰にも邪魔されることはないのです。

それでも罪悪感がわく?

こんな内的な作業にまで罪悪感がわく自分を、褒めてあげてください。




8.家族以外の重要な人々


ここでは、良い意味と悪い意味での「他人」が登場します。

良い意味では、ACや機能不全家族の私たちを、みるにみかねて助けてくれた近所の人とか、なぜか自分に肯定的な言葉をかけてくれた人など、思い出す存在はないでしょうか?

このような存在は、アンカーリンクとも呼ばれます。

アンカーとは、イカリのことです。

意味合いとしては、よりどころという意味です。

自信を失った時に、その人の顔を思い出すとほっこりするような存在です。

これをしっかりと固定しておくために、この項にはその存在を書き記します。

できたら、具体的にどんな言葉をくれたのか、どんな気持ちになったのか、などを詳しく書いてください。

逆に、いじめなどでひどく傷つけられた記憶もあると思います。

この場合は、あなたの気持ちは閉じたままなので、前項のように、対話もしくは手紙の手法を使って、当時の感情や伝えたいことを解放していくようにしてください。




9.自己肯定訓練

ACや機能不全家族育ちは、非常に低い自己イメージを持っています。

それは、安全を確保されない場所で、粗末に扱われてきたからです。

このような低い自己イメージを変えていくには、きっと一番良いのは、自分を肯定してくれる存在です。

これは、8番の家族以外の人々のなかで、良い出会いがあって、救われることが一番です。

しかし、それを受け入れるのも難しい人たちも多いでしょう。

そんな時に、非常に役立つのが、自己肯定訓練です。

これは、アファメーションとかセルフトークなどと言います。

これは、よく暗示と解釈する人もいますが、それは逆で、今まで悪い暗示によって振り回されてきた過去を、解放するために、本来の自分を呼び起こすための作業です。

自己肯定訓練には、このようなものがあります。

  1. 声に出さずに心の中で言う。
  2. 声に出して自分に言う。
  3. 声に出して自分以外の人に言う。
  4. ボイスレコーダーに録音して聞く。
  5. 紙に書く。

また、自分を肯定する文章を作る時に、気をつけたいことをあげます。

  1. 文は肯定文にすること。
  2. 文は簡単で短い文章にする。
  3. 文は現在形にすること。
  4. 文は嫌な状況から逃げるための内容でなく、こうなりたい内容にする。
  5. 継続の上に自己肯定感は育つと知る。

例えば、私は自分が好きだ、でも良いです。

このような肯定文を、毎朝鏡の前で10回言う、など、決めてください。

または、ボイスレコーダーに入れて、電車の中で聞くとか、メモにして目につくところに貼っておくのも効果があります。

そして、一番効果があるのは、このルーズリーフに自己肯定文を何度も書くことです。

ただ、このような肯定文を書いていると、今までの癖でそれに対する否定的な気持ちが湧き出てきます。

そのような場合は、否定的な気持ちも受け入れることです。

「仕方ないよね、今までずっと自分の気持ちを否定してきたのだから」と言うようにです。


10.神についての考察

これは、共感できる人とできない人に分かれるかもしれません。

「なぜ、神様は私にこのような試練を与えたのか?」と言う疑問です。

あなたはこんな想いになったことはないでしょうか?

それは、おかしいことではありません。

このような思いが出てきたら、このページに思いの丈を書いてみてください。

神からの答えはないと思いますが、生きる意味が見いだせるかもしれません。


11.統合


今までやってきた家族統合法もこれで終わりです。

ただ、このルーズリーフは、今の時点ではまだ満足のいく仕上がりではないと思います。

ぜひ、何年も書ける気持ちでゆっくりとしっかりと自分に向き合ってください。

いろんな情報とか、解決法などが、情報社会の中で溢れかえってますが、本質はこれだと思います。

よく「売れる書籍」にあるような症状を列挙するだけの内容など、私はあまり意味がないと思ってます。

なぜなら、このような「症状名であおる」ようなやり方は、出版元にお金が集まるためのものであり、苦しんでいる人にはほとんど寄り添ってないからです。

また、症状が本当に良くなれば、このような書籍などの需要もなくなってしまいます。

だから、なおらない情報に踊らされるのではなく、これからは、確実に本質に近いものを選ぶ目を持ってください。


ちなみにこの項では、家族統合法でやってきた全ての感想を書いても良いです。

「親に、もう大人なんだから自立するといった」など、報告的な内容でも良いですし、伝えたいことを代弁する場にしても良いです。

どのくらい成長したかのプロセスを書いても良いと思います。

なんの制限もないので、自由に書いてください。

本来、自分のやることに制限などないのです。

自分に制限があるとするなら、その制限を自分で作った時だけです。




最後に


家族統合法の一連のワークの手法をさらっとお伝えしました。

むしろ、あなたにとってはここからが本番です。

必要ない情報や人間をなるべく遮断し、自分に向き合う時間をたっぷり持ってください。

自分を傷つける存在に、時間を割くのでなく、とりあえずこのルーズリーフに向き合ってください。

このようなテーマは、どう生きるのかと言う根源的なテーマであり、さらに傷ついてきた人間にとっては厳しい段階もあると思います。

ただ、こうして傷ついたと言うことは、あなたの中に、ただ流されるのではなく、「おかしい」と言う気持ちがあるから傷ついたのです。

だって「おかしい」と思わなければ、あなたを傷つけた人と、同じような人格になって、周りの人を平気で傷つけながら、自己満足で生きているはずなのです。

このように傷がありながら、それでも立ち上がっていく人を、サバイバーと言います。

これは日本語では、逆境を生き抜いた人々、と言う意味です。

サバイバーは、幸せいっぱいの人とも違うし、不幸なまま諦めている人とも、当然違います。

サバイバーには、サバイバーにしか見えない世界があります。

それは、特別な景色です。

この「貴重さ」に気がついて欲しいと思ってます。

ぜひ、諦めずにこのプロセスを歩んでください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



家族統合法(前半)




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