自己愛マザーとは自己愛傾向の強い女性が親になったということ
今回は毒になる母親という書籍から、回復の5つのステップのところをお伝えします。
この表紙のイラスト……まさしく「自己愛マザー」という感じ。
女王様とか、女優などの「私は特別」感のある人です。
日本でいうとぶりっ子だったり、永遠の乙女とかかな?
詳しくは動画で説明してます。
このような自己愛マザーの元では、当然ですが愛をもらえることはなく、常に世話をしたり気遣ったりするのが「子どもの役目」になってしまいます。
家族が常に自己愛マザーの周りをぐるぐると回っている感じです。
ここにはこの変なシステムを家族の秘密としておくという「暗黙のルール」があり、メンバーはそれに従いながら、緊張感のある家庭で長い期間過ごすことになります。
この辺は、動画で説明してます。
傷を癒すには、その傷の存在を認めないと始まりません。
よく「幸せだった」「良い母親だった」という人は、本当にそうであった場合と、「そうであってほしい」と今でも思っている。の二つに分かれます。
後者が、「理想化」です。
これにこだわっている間は、傷を認めないということです。
どっちにしても、自分はどこにいるのかを知ることは重要です。
これを知らないと、誰かの意見にムキになってしまったりします。
これこそが、「生きづらさ」の原因になってしまいます。
つまり……「自分の母親が自己愛人間であり、自分がその母親に傷つけられた」という真実を言葉にして、受け入れることが最初のステップです。
そうして、受け入れるだけで、癒しが始まるのです。
ここでは、簡単に、ステップだけお伝えします。
自己愛マザーの子どもの回復 5ステップ
1.母親の限界を受け入れ、自分が望む母親を持てなかったことを全力で悲しむ
自己愛の人は1歳児とか、2歳児、3歳児などと、専門家も表現されています。
このくらいの子どもは、見ているだけで可愛いいものですが、まだ他の人とかペットなどに対する愛情というのは、発達していない場合が多いです(たまにいますが)。
でも、それで良いのです。子どもなのですから自己中心で。
つまり、自己愛マザーの精神年齢が1〜3歳ならば、それくらいが限界なのです。
「可愛い、可愛い」とは言われたいけど、誰かを見て「可愛い」とはまだ思えない……。
このような人が、労働力を必要とした時代に生まれ、そして国策で「産めや、育てや」に逆らわずに(子どもが苦手であっただろうに)従順に、もしくは幸せを願って子どもを作ったということです。
そして、その事実を受け止めて、できる限り泣いたりして感情を外に出すようにしてください。
ある程度、感情が外に出たらラクになって、思考が働くようになってきます。
そうしたら、母親の限界について少し考えてみてください。
もし、1〜3歳の自己愛人間に、高いレベルの期待をしていたら、それが満たされるはずはなく、あなたが辛いはずです。
と、ここで小タイトルをみてください。
「自分の望む母親」と書いてます。ここであなたが理想とする母親像を、振り返ってみてください。
「優しい眼差し」でしょうか?
「攻めずに受け入れてくれる態度」でしょうか?
そして、現実の自己愛マザーと対比してみてください。
あまりの違いにショックかもしれません。でも、それが目的なのです。
多くのカウンセラーなどは、「許せ」「前を向け」と言います。
これは、その人たちも傷を癒せてないから、人の傷にも向き合えないジレンマに陥っているのです。
そもそも、自分を癒せていない人が、支援者になろうとするのは「とても危険なこと」だということに気づいてない人という事実だけで、私たちより重症とも言えるのです。
このような人に頼ると、いっときは蜜のような癒しを感じても、それがすぐに支配となって、親と同じような立場になってしまいます。
「治らないのは、あなたの責任」というようなことを、平気で言いだすでしょう。
そして、何度も傷ついた子どもたちは、傷を抱えたまま蓋をしてしまいます。
2.母親から心理的に分離し、ネガティブなメッセージをポジティブに再変換する
動画でも言いましたが、自己愛マザーは、子どもを「呑み込む」か「もういらない」と「無視する」かのどちらかです。
これは、子どもが大好きなぬいぐるみを扱うのと似てます。
母親から心理的に分離するとは、「呑み込まれた」状態から分離することです。
つまり、自己愛マザーにとって、あなたは「今は」お気に入りなのかもしれません。
ただ、精神年齢は1〜3歳ですから、いつ気が変わってあなたを放り投げてしまうかわかりません。
このような人に、自分の存在を、そして人生を預けるなど、危険だと知ることです。
マレー・ボーウェンによると、成人が呑み込まれた状態から個体化するには、このようなプロセスが必要だと言います。
- 家族の力学に感情的に反応しなくなる
- 家族の力学をより客観的な目で観察できる
- 「思い込みやイメージ、歪曲(わいきょく)、家族内の三角関係」に気づくようになる
そして、自己愛マザーの周りをぐるぐる回るという生き方から、脱していく必要があります。
それには、この3つが必要です。
- 投影のメカニズムを理解する
- 母親や周囲の妬みの感情を理解し、それに対処する
- 内面化したネガティブなメッセージを一掃する
なぜ、自己愛マザーは、子どもを妬むのでしょうか?
これは、低い自尊心から来ると思われます。
高い自尊心の人は、周りにいくら優秀な人や美しい人がいても、関係ないです。
なぜなら、「私には私の良さがある」と思えるからです。
でも、低い自尊心の人は、周りが良いから自分がダメに見えると考えます。
すると、それが子どもでさえも「あいつが悪い」となってしまうのです。
しかし、多くの妬みを向けられた子どもは、「自分が悪い」と思ってせっかくの長所などを隠そうとします。
これは、もったいないです。
また、3番の内面化したネガティブなメッセージを一掃するには、どうしたら良いか?
これは、思い浮かんでくるごとに、通り過ぎずにしっかりと当時のことを思い出し、いかに根拠のないものだったか、子供っぽい行動だったかを理解することです。
これは、1日や2日で一掃できるはずがないので、思い出したら一つづつ処理するようにしてください。
トイレ掃除のように、こまめにすることが重要です。
3.自分自身の考え(価値観)、感情、欲求を持つ
著者によると、インナーマザーを自分の中に作るということを言ってます。
1番に出てきた「理想の母親像」を自分の中に作ろうというものです。
そして、つらいとき現実の母親は1〜3歳児なのですから、自分の中の理想の母親に相談したり、頼ったりするのです。
褒めて欲しいことを褒めてあげるのも、インナーマザーに求めます。
多くの人は、褒めてもらうのを、赤の他人に求めますが、このような子どもっぽい要求は、多くの場合、うとまれます。
でも、自分で自分を褒めるなら、誰にもわかりません。それができたら最強です。
このように内面と向き合う習慣ができると、自分の気持ちとか価値観に、簡単にアクセスできるようになります。
そうなったら、自分に聞いてみてください。
例えば……
- あなたが一番大切なのは何?
- どんな時に幸せを感じる?
- 充実感を覚えるときは、どんなとき?
- 夢中になれるもの。才能があると感じていることは?
こんな時に、不意に邪魔をするのが、内面化した自己愛マザーです。
そんなときは、ぜひ思い出してください。Jレナードの言葉です。
創造的で優秀であるためには、利己的であらねばならない。
あなたが何かを見つけてブレークスルー(現状、壁を突破する)とき、あなたに求められるのは、集中と没頭だ。
家族や周囲の求めに応じる前に、あなた自身の心と知性の欲求に応じなければならない。
妥当で責任をともなう自己本位な振る舞いが、あなたが大切に思う人たちの長期的な利益を築くのだ。
あなたは、もしかすると責任を伴わない利己的な人から、「利己的だ」「勝手だ」「勝手は許さない」などと言われて、自信を失ったのではないでしょうか。
このような呪文を消すには、責任のある利己的な振る舞いが必要なようです。