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2021年8月28日土曜日

「言葉尻をとらえる」と「言葉の意味を理解する」の違い

 



こちらの動画では、「なぜか人と親密になれない」「親しくなりそうになったら逃げたくなる」「一人が良い」などと思っている方の原因を考えてみました。

きっとこのような方は、性格傾向として「回避型パーソナリティー」と考えられます。

回避型とは、その名の通り、人や環境から常に「逃げたい」と思っている人です。

当たり前ですが、逃げたいからにはそれなりの理由があります。

今回、参考にさせていただいた岡田尊司先生の「回避性愛着障害」では、主に1歳半くらいまでの母親との関係が大きく影響しているという話をしました。



多くの場合、ネグレクト(虐待や無視)などの、かなり危険な目にあった人が回避型には多いようです。

つまり、ネグレクトによって心が固まって「もう誰も信じない」となってしまうのです。

しかし、それ以外にも過干渉、過保護、過剰な支配なども含まれます。

先生によれば、「強制収容所体験」(のような)によって、トラウマとなっているようです。

回避型は、もともと男性に多いようです。今では女性も多いですが、このようなタイプがパートナーでその扱いに悩む方も多いようです。

「愛してくれない」「冷たい」などです。

このように、パートナーが回避型の場合は、このようなことを注意してほしいと言いました。

  1. 1歳くらいまでの傷が原因と知る(あなたに対するものではない)
  2. 過去の危険基地でなく安全基地を作ること
  3. 防衛的な態度を否定しない(あなたに対するものではない)
  4. いつか安全基地を守ってくれるはず
  5. 時間はかかる

このような内容に対して、旦那さんが回避型で悩んでおられた視聴者さんから、このようなコメントをいただきました。

ありがとうございました。夫が完全にコレです。1歳頃までの不適切な養育環境が原因とは、夫に対する哀れみと義父母に対する怒りが!(元々私は義父母の何気ない言動に対して嫌悪し完全に距離を置いてましたが、コレが原因でもあるな、と)
彼に対して、私は安全基地だよ〜って繰り返し伝え、スキンシップしようと図るのですが、回避(拒否)されます。それは安定型の私だって傷付く〜。でも彼の中の、1歳の可愛い赤ちゃんの頃の彼が愛されたくて愛してくれなくて泣いているのかと思うと、私の傷付きなんて糞だと。彼を丸ごと抱きしめてあげたい。彼から愛されてる自信は沢山はないけど、彼からの拒否は表面的なもの!と、彼を信じて、彼の心の闇を私が溶かしてあげたいです。


時間はかかると思いますし、何度も試すようなこともあると思いますが、ぜひ一緒に安全基地を作って、乗り越えてほしいと思います。

ところで、この方のように、一歳の頃の様子を想像しながら会話をしたり、向き合うことは「意味への理解」と言って、非常に重要なことです。

言葉の裏には、いろんな傷とか解消しきれてない問題とかがある場合が、ほとんどだからです。


これは、言葉で表現しなくても、相手には伝わります。

そして、何よりもの癒しになると思います。回避型にはこのような経験はほとんどないに等しいはずです。



その反対が、「言葉尻をとらえる 」です。



「あの人にああ言われた。ひどくないです?」など。

これは、目の前の言葉に傷ついたりイライラしていることになります。

ほとんどの人がこれですが、これだけで相手を理解しようとすると、大切なことを見誤る恐れがあります。


「意味への理解」とは、その人の気分はどうだったのか?

その人がそう思う背景には、何があったのか?

頑なになっているのは、今のことに対するだけでなく、過去に何かがあったのか?

このような視点を持ちながら、相手を全体として眺めることは重要です。


もちろん、知らない人にまで意味への理解をしたらヘトヘトに疲れてしまいます。

ただ、大切な人にはこのような意味への理解、意味への応答は、重要です。

ぜひ、自分はどっちなのか(言葉尻か、意味への理解か)を冷静に分析して、少しづつでも意味への理解を取り入れたら、きっと相手との信頼関係は今よりも改善していくと思います。



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