動画でも取り上げたように、中井氏の考える『精神健康の基準』について15項目挙げられていますが、多かったので割愛した部分も含めて補足します。
ただこれを満たしていれば『精神的に健康』かというと疑問です。加害者と言える人は、全てを満たしているようにも思えるからです。
ただ、患者として扱われる立場の人が、「自分は健康だった」と答え合せをしたり、今苦しんでる人が「こうなると楽になる」という道しるべになれば良いと思ってます。
1.分裂する能力そして分裂にある程度、耐えうる能力
きっと「軽くあしらう」ようなことができない人は、周囲から「おかしい」と言われるのだと思います。ただ、だからこそ創造的な世界で力を発揮することもあるのです。
つまり、動画でも言ったように正面から向き合っても意味がない、傷つく相手に対しても統合していたいと考えると、頭が痛くなってきます。
2.両義性(多義性)に耐える能力
自分の役割を全うしようと思ったら、自分を追い詰めてしまいます。
それができなくなるとパニックになったり、挫折感を味わったりしてしまいます。
3.二重拘束への耐性を持つ
この耐性ってなんか変だと思いませんか?
中井氏は、「二重拘束する人をどうにかしよう」とするのではなく、それにある程度耐えられる能力をつけることが健康につながるとしてます。
全体を通してそうですが、「積極的に人に害を与える人に対しての処方はない」という考えだと思いました。
だからこの15項目も、「いかにそのような人(きっと永遠に変わらない人)に省エネで付き合うか」ということだと思います。
4.可逆的に退行できる能力
5.問題を局地化できる能力
局地化は一般化の反対です。
「私はどう思うか?」という視点です。
結果的に誰からも評価される生き方などなく、また、それに近づけたとしても何の特徴もない空気のような人になってしまいます。
「私はどう思うか?」という視点が大事です。
私たちは早く物事を解決したり、達成することが良いことだと思い込んでいます。
でも、大切なことほどそして、大きな計画ほど、時間がかかることもあります。
即座に解決を求めないでいられる能力があれば、日々の小さな波には振り回されずに自分の定めた目標なり信念に突き進むことができるように思います。
7.一般的に嫌なことができる能力、不快にある程度耐える能力
これは誤解も多いかと思いますが、私もよく「好きなことをやれ」って言いますが、好きなことをやるからには、かなりの準備とか失敗もあるし、時間なども掛かります。
だからこそ『好きなこと、やりたいこと』ならば、失敗してもすぐに立ち上がることができたりします。
6番でも言いましたが、すぐに結果を求めなくても、本当にやりたいことや大きな目標に向かうまでには、嫌なことや不快なことがあるのは当然とも言えます。
8.一人でいられる能力
これは「一人でいろ」という意味ではなく、「一人は孤独だ」「孤独は耐えられない」などと強迫的になると、相手はこちらを向いてないのに、無理に取り込もうとしたり、しがみついてしまうようなことになるからです。
9.秘密を話さないで持ちこたえる能力
この項目の説明はほとんどなかったのですが、私は目の前におかしな人がいると思ったら、トラブル回避のために秘密を持ってもいいし、嘘を言ってもいい時もあると解釈しました。
10.いい加減で手を打つ能力
良い加減……ですね。11.「しなければならない」気持ちに対処できる能力
「しなければならない」という言葉は、義務感であり命令でもあります。これに従い続けると「奴隷」になってしまいます。また、厄介なのは自分の中でもこのような「ねばならない」お化けが住んでいることです。まずは、一つ一つ「本当にしなければならないのか?」と自分に疑問を投げかけることです。
12.現実対処の方法を複数持ち合わせる
これはいわゆる「防衛機制」ではありません。
防衛機制とは、受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムである。欲求不満などによって社会に適応が出来ない状態に陥った時に行われる自我の再適応メカニズムを指す。広義においては、自我と超自我が本能的衝動をコントロールする全ての操作を指す。 ウィキペディア
やみくもに逃げるのは防衛機制で、現実対処は警察を呼ぶとか、逃げる先を決めておくなどが現実対処ではないでしょうか。
13.感受性を持つ
11番で「しなければならない」に対処するとありましたが、どう対処するかというと、「感受性」を持つことです。
「私はどう思うか」や「相手はどう感じるだろうか」などを大切にすることです。
14.予感や余韻を大事にする
繊細な人や内省をする人は、すでに多く持っている予感とか直感、余韻などを「重要ではない」と軽く扱わずに大切にすることです。そして、「おかしい」と思ったら、その気持ちを大切にして行動に移すのです。席を立つとか、近寄らないなど……色々です。
15.現実処理能力を使い切らない能力
これは動画でも取り上げましたが、病んだ人は、現実処理能力を使い切った結果、もしくは、使うように要請された結果倒れてしまった人だと考えられます。
まとめ:病む人の周りの人間に問題あり
これは全項目に言えますが、精神的に疲れたり、症状などが出ている人は、たいていが「周りの人間に問題あり」なのです。
それを先生は(きっと立場上)はっきりとは言いませんが、その人にどう(適当に)対するかが、健康か不健康の違いになるのだと思います。
きっと、ほとんどの精神科医がそれをわかっているけど、親などの大人を敵に回すことができない始末なのでしょう。
また、周りの人を病気にしてしまう人は、このようなメンタルの不全などで悩むことはありません(病んだフリはあると思います)。
もし、本当にメンタル不全になったならようやく支配ゲーム(コントロールドラマ)を終わらすことができたのですから、喜ぶところです。
それまでは「どうやって支配するのか」「この場を収めるのか」を考えているので、それをやっている限りは病気知らずなのです。
執着する相手に冷めてもらうという方法
最後に、ちょっと言い足りないことがあったので、お伝えします。
最後に、「捨てられたストーリー」は効果的と言いました。
これは、先生の言われたことではなく、私が考えた方法です。
なぜかというと、コメントで「私は病気になって家族に捨てられました」という内容のものを結構いただくのです。
コメント主さんは、捨てられたことを悲しんだり悔しんだりしてますが、逆に考えると以前は望んでいたことだったはずなのです。
つまり、「あれだけ私に執着して拘束してきたのに、働けなくなったらお払い箱か!」という意味だと思います。
これは、逆手に取ることも可能です。
きっと相手によって違いますが、意地悪な親などは必ず「〜したら捨てる」「〜しなかったら捨てる」という脅し文句があったはずです。
逆手に取ると、「〜したら捨ててもらえる」「〜しなかったら捨ててもらえる」のです。
これを計画の中に取り入れるのも、一つの方法です。
これが効果がある理由は、「相手が冷めてしまう」からです。
恋愛でも、好きな時に別れを告げられるとストーカーになる人がいますが、気持ちが冷めたらあっさりしたものです。
だから、相手を冷めさせるというのは、とても効果があると思います。
冷めるには、物理的にも精神的にも「メリット」がなくなった時ではないでしょうか。
わかりやすい例でいうと、メンバーが『病気』に仕立て上げているうちは良いのですが、本当に病気になって寝たきりになったりしたら、どうなるでしょうか?
細いことでいうと、相手の期待に応えないとか、相手のリズムに合わせない、など色々とやってみてはいかがでしょうか。