今回は、AC(アダルトチルドレン)が自分の育った環境をしっかりと見つめ直すためのワークをお伝えします。
著書は、アダルトチルドレン・シンドロームと言います。
すでに絶版になっているようですが、中古とか新古などではまだあります。
よかったら、探して読んでみてください。
絶版になってしまったとはいえ、非常に具体的で実行可能な内容なので、私もデジタルデータとして残すことが重要だと感じています。
対象者としては、ACはもちろん、共依存、機能不全家族で育った人にも・・むしろすべての人にとって、家族との歴史を振り返ることは、大切なことのように思います。
もしかすると、今までずっと記憶の端っこに置いてきたままで、触らずにきたことかもしれないので、途中で苦しくなるかもしれません。
自分の体調とか、メンタルの調子などを観察しながら「今が丁度良い」と思った時期に始めてください。
必要なもの
今回、必要になるのは「ルーズリーフ」です。
普通のノートと違うところは、ページを出し入れできるところです。
私たちは、これから自分の生きてきた歴史や感情、または家族や先祖にあたる人たちにまで光を当てて、自分の生い立ち、実際にあったことなどを探求していきます。
ACや機能不全家族には、4つのルール(硬直,沈黙,否認,孤立)があるので、真実を見ることができませんでした。
だからこそ、今から真実を見つめて、この一冊のルーズリーフに完成させていきます。
このルーズリーフには11の項目が必要です。
家族統合法の11項目
- 日々の記録
- 家系図
- 家族状況表
- 家族の神話
- 生い立ち
- 魔法の子供
- 家族の成員
- 家族以外の重要な人々
- 自己肯定訓練
- 神についての考察
- 統合
このような項目を、少しづつ作成していく、という感じです。
やること自体は、基本的に個人的な作業なのでそれほど難しくはないと思います。
ただ、それだけに自分の内面とか、家族の闇などを覗くことになるので、つらい部分もあると思います。
ただ、それだけ価値があることでもあります。
では、一項目づつ説明していきます。
1.日々の記録
これは、日記のようなものです。
これから毎日書いていってください。
これをやる意味は2つあります。
- 自分の無意識の行動パターンを知ることができる
- 自分の感じていることに気がつくことができる
2.家系図
その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します。
2.自分の父の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
3.自分の母の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
4.自分の父の父の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
5.自分の父の母の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
6.自分の母の父の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
7.自分の母の母の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
8.自分の父方の祖父の父の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
9.自分の父方の祖父の母の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
10.自分の父方の祖母の父の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
11.自分の父方の祖母の母の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
12.自分の母方の祖父の父の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
13.自分の母方の祖父の母の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
14.自分の母方の祖母の父の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
15.自分の母方の祖母の母の名前(その下には、兄弟姉妹の氏名を記入します)
いかがでしょうか?
ほとんど記入できないかもしれません。
それも、「知らない」ことを知る機会になりました。
この家系図ができたら、記憶の範囲内で良いので、この中にアルコール依存症の人には、(ア)と名前の横に記入してください。
また、ガンを患っていた人には(ガ)と記入してください。
これは、クリッツバーグによると、アルコール依存症のようないわゆる「問題のひと」を助ける(悪い意味で)のは、共依存者であり、共依存者はガンを患う相関性があるということです。
これで完成です。
ただ、また思い出したことができてきたら、随時、この家系図を埋めていくようにしてください。
家系図の作成は、子供時代の記憶を埋めるという意味で、非常に重要な意味があります。
では、この家系図を作成したら、自分にこのような質問をしてください。
- これを書いて「新たに」わかったことは何ですか?
- これを書いて「改めて」わかったことは何ですか?
- 何か驚いたことはありましたか?
- これを書いて、どんな気持ちがしましたか?
- これは自分にとってどんな意味がありましたか?
- その他感じたことなど
3.家族状況表
- あなたが生まれ育った家族の状況表
- あなたの父親が生まれ育った家族の状況表
- あなたの母親が生まれ育った家族の状況表
もしよかったら、このpdfファイルはダウンロードできるので、こちらからダウンロードして記入してみてください。
この表には、出生年月日や、出生地、結婚した年月日、どこで結婚したのか、また死亡している場合は、いつ、どこで、また死因は何か、など、とにかく曖昧でも良いので、記入してください。
また、下の欄には、子供を出生順に入れます。
そこにも、出生の年月日や死亡日、死因なども入れます。
これを自分用、父親用、母親用の3種類作ります。
このように記入していくと、新たな発見が生まれることもあります。
例えば、父親はお酒は飲まないけど、その父親はすごく飲兵衛だったとか、です。
また、このような酒癖なども、例の4つのルール(硬直,沈黙,否認,孤立)によって、固く口を閉ざしている場合もありますので、以前の記憶を振り返りながら、パズルを完成させるように記入していってください。
最後に、この家族状況表を作成したら、自分にこのような質問をしてください。
- これを書いて「新たに」わかったことは何ですか?
- これを書いて「改めて」わかったことは何ですか?
- 何か驚いたことはありましたか?
- これを書いて、どんな気持ちがしましたか?
- これは自分にとってどんな意味がありましたか?
- その他感じたことなど
これまでの日々の記録、家系図、家族状況表は、ACや共依存者にとっては、非常に重要な部分です。
きっと思い出せない箇所も多いと思いますが、覚悟ができたときに、挑戦してみてください。
最初にも言いましたが、まずは、ルーズリーフを用意して、日々の記録をしばらく続けてみると良いかもしれません。
長くなりましたが、次は、家族統合法の後半になります。
ここでは、家族統合法の11項目の4番から進めていきます。
- 日々の記録
- 家系図
- 家族状況表
- 家族の神話
- 生い立ち
- 魔法の子供
- 家族の成員
- 家族以外の重要な人々
- 自己肯定訓練
- 神についての考察
- 統合