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2021年10月11日月曜日

自己愛人間の5つのタイプ

 


動画では自己愛人間について説明しましたが、こちらではその中で自己愛人間の5つのタイプを取り上げさせていただきます。


  1. 自己実現型の自己愛人間
  2. 同調型・画一型の自己愛人間
  3. 破綻型の自己愛人間
  4. シゾイド人間(回避型)
  5. はみだし型の自己愛人間
一つづつ説明します。



1.自己実現型の自己愛人間

作家、学者、知識人、政治家、経営者などの中の特別な才能を持ち、それだけに理想自己が高く、その実現のためにひたすら努力し、エリートコースを歩む人です。
また、少数の特別すぐれた容姿・才能の持ち主は、スターとしてその自己顕示欲を満たすことができます。 

こちらの動画で、「宇宙に飛び出す」ことを高橋先生は進めていらっしゃいますが、その宇宙こそが、「自己実現」のことです。
覚悟と勇気と実現能力をフル活動させて、夢を掴み取る人です。

ただ、このような立場にいても、立場を失墜してしまったり、老化によって能力が発揮できなくなったりすると、他のタイプに移行することも十分にあり得ます。


2.同調型・画一型の自己愛人間

いわゆる平凡的な大衆であって、現代のわが国社会でもっとも安定し、自分、あるいは家族、身近な仲間、同僚ぐらいの生活範囲で、比較的容易に手に入る消極的な自己愛の満足で暮らしている人々です。社会の側が提供する画一的な理想自己をみたすことで暮らしています。そして、みんなと同じかどうかが、一つの生活基準になっています。
この人数が最も多いと思われます。その中で疲弊する人も多いですが、自分の才能の限界とかをある程度受け止めている人は、それほど苦難を感じることなく生きていけると思います。




3.破綻型の自己愛人間

親子関係の中で特別に自己誇大感が肥大するような人となりを持ち、しかも思春期以降になって自己実現型になるほどの現実能力を持たないために、「自分は特別」という自己愛が破綻して挫折してしまうタイプを言います。

それぞれ人生の中で破綻(挫折)をしますが、若いうちでは登校拒否や家庭内暴力、自殺、自傷、非行などです。もちろん、中年期や老年期になってひどくなる人もいます。
特に、親離れをすると、肥大した自己愛の持っていきようがなくなって、挫折と幻滅を起こしやすいとも言えます。
自己破壊的な行為に向かいやすく、子どもなどを作れば、その破壊性を子供に向けることもあります。




4.シゾイド人間(回避型)

人と人との深い対人交流や関わりを回避し、対人関係につきものの心の悩みや対象消失による悲哀・不安を避けようとする。
特に画一的行動パターンへの同調(引きこもりなど)を主な適応形式にする。ただしその裏には「のみこまれ不安」と呼ばれるような自己を失う恐怖がある。つまり深い対人交流を持つことが、すべて自己喪失の恐怖として体験されてしまう。そのために表面的な良い局面でしか人と付き合わない。いったん悪い局面が出てくれば人間関係そのものに背を向け引きこもってしまう。しかしシゾイド人間も自分の主観的な内的空想世界を大切にし、密かな全能感を抱くという点ではやはり自己愛人間なのです。


5.はみだし型の自己愛人間

そもそも、自己実現型にせよ同調型にせよ、自己愛の満足さえ得ていれば、対人関係にせよ、食欲・性欲・攻撃性などの欲動のコントロールにせよ、それらを順調に営むことができます。自己愛は苦痛・不快・怒り・憎しみ・恐怖・迫害などからその人を守るバリヤの役目を果たし、種々の欲動のコントロールシステムを維持し、様々な精神機能の活力源になっているからです。それだけに、全能感が失われ自己愛が傷つき深刻な幻滅が起こると、精神的な危機が襲います。

そういう意味でも、自己愛の人が最も恐れるのは、「老化」であり「死」であることがわかります。 


いかがでしょうか。

こうしてみると、パッと見て「自己実現型がいいな」と思いますが、これは人それぞれなのです。

一番の不幸は自分に才能や現実能力(実行力)がないのに、大きな夢(誇大自己)を持つことこそが自己愛人間のいきづらさの原因です。

反対に、本当は才能や現実能力があるのに、「お前はダメだ」と周囲に言われて「無能だ」と勘違いしている人も不幸です。こういう人もすごく多いです。


自分を知った上で、何ができるか、できないかを自分で見極めて、現実的に生きていくことこそが大切だと思いました。また、何でも人に相談すると、相談する相手によっては妬みなどの悪意がその人にあれば、ネガティブなアドバイスを受けてしまうことにもなるので注意が必要です。



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