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2020年12月2日水曜日

質素に生きる「ストア哲学」ストイックで欲を捨てる方法

 



今日は、「もしかすると今まで 間違った生きかたをしてきたのではないか?」と思っている方、または節約などがうまくいかない方へ、何かヒントになることをお伝えできたら良いと思ってます。

今回は、ストア哲学をつかった生き方「ストイック」とも呼ばれるそうですが、この方法をお伝えします。

ストイックというと、あのストイックを想像すると思います。

通常のストイックの意味は、

禁欲的で、厳格に身を持するさま

と辞書に書いてありました。

「ストイックに努力する」とか「あの人はストイックだ」という感じです。

実際は、最初の『S』が大文字か小文字で違う意味らしいのですが、内容はすごくよく似ています。

stoic   と Stoic(ストア哲学)


ストア哲学を実践する人を、ストイック、禁欲的に何かに挑戦する人を、ストイック(同じ)とするなら、この違いは、ストア哲学は禁欲的ではないと言うことくらいでしょうか。

つまり、やっぱり似ています。

一言で言うと、理性で感情をコントロールする生き方です。

苦しみを快楽とする。快楽を求めないことを快楽とする、と言うような生き方のことです。

そう聞くと、味気ないように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。

どちらかと言うと、人生にとって無駄なものを、排除していきます。

特に、贅沢や名声を追い求める気持ち他人を気にする態度などを排除していきます。

これを知ると、いかに今までの自分が、麻薬とかお酒などによったような状態で、思考していたかがわかると思います。

そして、「お金持ちはお金を無駄遣いしない」と昔から言われている意味も、わかると思います。


ストイックの約束

これを実践する時は、ぜひこのことを守ってください。

それは、ひっそりと始めること、です。

当然ですが周りの人に「ストイックでは・・」などと言ったら、笑われます。

多くの人は、ストア哲学など知りませんし、そのような生き方を好みません。

また、周りの人は、あなたが変わることを大変恐れます。

このように、いろんな邪魔をされるので、とにかくバレないようにひっそりとはじめてください。



不足を知れば現状に満足できる


このストイックの最終目標は、これです。


生きている間に、楽しみを最大限に味わう!


 ただ、私たちが想像する「楽しみ」とストイックの「楽しみ」はかなり違うと思います。

どちらかと言うと、「足ることを知る」もしくは「不足を知る」ことで、現状に満足すると言う感じです。

私たちの多くは、「あれさえ手に入れば」とか「こんな人と出会えば」「こんな仕事につけたら」などと、ないものばかりを得ようとします。

このように、多くの人が 富と名声を求めて途方もない努力をします。

そのストレスを解消するために、お金を使っています。

そして多くの場合、富と名声を求める夢は、挫折をします。

なぜなら、その夢には終わりがないからです。

考えてみたら、この欲望こそが、今のあなたを苦しめていないでしょうか?

これを「飽くなき欲望」と言います。

これこそが、生きる上での厄介者だったのです。

あなたが「人生間違った」と思っているなら、理由はこれではないでしょうか。

米国では、多くの人がクレジットカードを使って買い物をすると聞きます。

これは、未来の収入をあてにしているので、短期間の借金とも言えます。

また、日本人は現金主義ですが、給料のほとんどを使って、次の給料日を待つ人も多いです。

このような生活をしていても、何か不満があったり、満足感がないのは、「飽くなき欲望」は、いつまでもなくならないからです。

例えば「宝くじで一発当てたい」と願う気持ちで考えてみます。

もし、何千万とか何億などが手に入ると、当然ですが私たちは喜びます。

でも、きっと歓喜は一瞬です。

このような喜びって、すぐに慣れてしまうことを、あなたは何かで体験したことはないでしょうか?

例えば、すごく付き合いたい人と付き合ったら、すぐに冷めた。とか。

子供と一緒に暮らせば、夢のような生活だと思ったのに、すぐに悲惨な罵り合いになった。などです。

このように、宝くじでお金持ちになったとしても、その喜びはすぐに当たり前になります。

今までスーパーの肉で喜んでいたのに、高級レストランで食べないと価値がないと思うようになり、だんだんとそれにも飽きてきます。

そして、次はもっと良いお店に行きたい、それにはもっとお金がいる、となります。

このような「飽くなき欲望」を、快楽適応と呼びます。

つまり、人間は快楽にすぐに適応してしまうことです。

このような思考を、満足の踏み車仮説と言います。

これは、いくら走っても先には進まない踏み車のように、一度その状態になれると、さらに満足を求めるようになることです。

私たちが、悩みを持ったり、その悩みが解決できないのは、このような満足とか快楽を、強く求めているからかもしれません。

つまり、自分で作った目標が叶わないと、がっかりして挫折を味わうという、まるでハムスターの回る器具のようなことを、一人で何度もやっているような状態です。



ネガティブ・ビジュアリゼーション


あなたもこのような、富と名声を目標設定にしていませんか?

このような間違った目標を持って苦しんでいる方に、今回は、ストア哲学のネガティブ・ビジュアリゼーションという思考法をお伝えします。


これは、今、あなたが持っている「住まい」「パートナー」「家族」「車などのもの」を、失ったと想像してみることです。

どんな気持ちがするでしょうか?

住まいを失った・・

子供がいなくなった・・

パートナーが突然死んでしまった・・

などなど

これを、1日に何度かやってみるだけで、今持っているものに対する気持ちが、変わってくると思います。

これが、ネガティブ・ビジュアリゼーションで、ストイックの代表的な思考法です。


心の平静を得るには


ストア哲学、ストイックでは、実践することで3つのことが手に入るそうです。

  • 心の平静
  • 自由
  • 冷静さ

です。

心の平静さは、悩みとは相反する意味で、感情的にゆり動かされないような、しなやかでたくましい心を育てていくことが目的です。

この、心の平静と、自由、冷静さが、ストイックの大きな柱です。

このような3つのものは、決して外部(他人、環境)から得られるものではないという考えです。

つまり、心理学的に言えば、他人への依存を捨てるのは大事です。

依存とは、誰かに頼ろうとする、聞こうとする、保護してもらおうとする気持ちです。

これによって、自分から自分を縛り付ける罠を、巻きつけているのかもしれません。


エピクテトスは、このように言います。


幸福と、存在しないものへの憧れは、決して一緒にならない。


ということです。

これは、難しい言いまわしですが、このような意味だと思います。

自分からあまりにもかけ離れた夢などを持つことは、決して幸福とは言えない、むしろ不幸だ、ということです。

例えば、老年になって歌手になりたいという夢を持つ人がいるなら、その夢を叶える可能性は、すごく確率的には小さくなります。

このように達成できない欲望を(わざわざ自分で)作りあげて挫折するのは、なるべく避けた方が良いということです。

なぜなら、自分が傷つくからです。さらに自信をなくすからです。

このような場合は、歌手になる努力をするよりも、自分で作り上げてしまった「(大きすぎる)欲望」を消滅させる努力をする方が、結果的に幸せになります。

そのためには、冷静に自分に向き合うことが大事です。


「なぜ、私は歌手になりたいと思ったのか?」

「具体的な方法はあるのか?」

「可能性はどのくらいなのか?」


このように、現実と夢を照らし合わせるだけで、夢は夢、現実は現実と区別できます。

結構、悩んでいる人は、このような少し行き過ぎた空想・夢想を描く人が多いです。

それはきっと「現実逃避」の一つなのでしょうが、自分では気づかない場合も多いです。

そしてこの空想・夢想に気づくことで、「無理めな夢を追う」と言う目標を断念すれば、望むことが叶うのかという「不安」はなくなり、望むことが不可能になった場合の「挫折」も回避できるからです。


これは、現実からの逃げではないと思います。

むしろ、現実へ一歩近づいたと言えると思います。


つまり、最初の目標設定が間違っているかもしれない、ということです。

「自分への理想化が、高すぎたのかもしれない」と気づくことも大事です。

もちろん、この夢が叶う人もいるので、ここは自己判断でお願いします。

よく「ハードルを高くする」とか言いますが、まさに人生の肝心な場面で、いかにこのハードルを適切に設定できるかは、それぞれの理性と判断力にかかると思います。

そのためには、自分を知ること、しっかりと、観察をしておくことです。

では、どうやったらこのような判断が、自分でできるようになるでしょうか。





コントロールを3分化する


先ほどの歌手になりたいと望む人の夢が、果たして叶うのかを例にして、何を手放したら良いのか、などを考えていきたいと思います。

まず、自分がコントロールできることと、できないことを分けてみます。


  1. 自分がコントロールできること
  2. 自分がコントロールできないこと
  3. ある程度自分でコントロールできること


これを一つづつ考えていきたいと思います。

1.自分がコントロールできること


これは、自分の感情とか意識などです。

2.自分がコントロールできないこと


これは、他人とか過去、他者からの評判、結果などです。

3.ある程度自分でコントロールできること


これは、先ほどの歌手になるための目標などです。
頑張れば可能性もあるけど、実際に需要があるかなど、自分だけの意思ではどうにもならない面もあります。

この中で、2番はどうしようもできないので、優先順位としては最下位です。
ここをズバッと切り離します。
自分がコントロールできないことで悩んでいる人は、意味がないので諦めることをお勧めします。

そうすると、1番がコントロール可能な領域で、次が3番になります。

このように、目標を自分の内面に持っていくことを、目標の内部化と言います。

目標を外部に持っていくと、他者へ依存したり、期待したりして結果的に搾取されるようなことが、多く起こります。

だからこそ、内部化することが大事なのです。

いかがでしょうか。

2番をズバッと切り離したことで、無駄な付き合いとか、忖度がなくなると思いませんか?

このように、私たち人間を不幸にする要因は、大きく分けて2つあると言われます。

  1. 貪欲さ
  2. 自分の力の及ばないことでくよくよ悩むこと

です。

これも、他者を切り離すことで、減っていくと思います。

積極的不快プログラム

ストア哲学では、ストイックという言葉からも、贅沢などをことごとく排除します。

これは、無駄なお金を使わない、という理由以上に、大切なことがあります。

それが、快楽に対する闘いです。

今は世の中が混迷していて、さらに癒しブームのような気がしますが、今回はその逆です。

快楽への不信を持つことを、すすめています。

なぜなら、私たちの心の平静を乱すものは、まさに快楽であるからです。

この理由は、前にも言ったように、宝くじの例からもわかるでしょう。

多くの人は、「いつか大金持ちになって・・」とか、「有名になって・・」と夢を描きますが、ストイックでは、快楽思考こそ危険だという構えです。

これは、成功という文字にも置き換えられます。

例えば、親などがあなたをいつまでも子供扱いしたり、ダメな子扱いをするなら、それは、昔の成功経験からくると思います。

そうしていれば、あなたは親なしではいきられない、か弱いペットのような存在に戻るからと期待しているからです。

このような経験が、親をお酒によったような状態にして、「また今度も」と同じ手を使うのです。

このようなしつこさは、まさに過去に快楽を経験したからこそ、それがどうしても諦められないのです。

これで、快楽や成功体験の恐ろしさを、理解してもらえたでしょうか。

一般の人は、成功体験は自信をつけると言いますが、私はこのように、危険の方が大きいと思っています。

むしろ、このような成功をしたいと願う気持ちが、貧欲なのであり、自分がコントロールできない領域に、わざわざ足を一歩踏み入れていると言う、危ない心境だと気づくことが大事です。

ムソニウス(哲学者)は、このように言います。

金持ちになろうと一生懸命になるかわりに、「今持っているものに満足するよう」に自分を訓練したら、もっと良いだろう

名声を得るかわりに、「他者の賞賛を求める欲望を克服」したらもっと良いだろう

妬ましく思う相手をやり込める計画を練る時間があったら、自分の中の「羨望の欲求を克服」したらもっと良いだろう

この3つの言葉の、最初・・つまり「金持ちになる」や「名声を得る」や「復讐したい」などがあなたの目標になっていたら、それこそがあなたを苦しめているのかもしれません。

特に富や名声を求めるのは、経済発展のために埋め込まれた思考です。

でも、私たちは、経済の成長のために、生きるのではありません。

「自分なりによく生きた」と納得することが、大事だと思います。


と言うことで、ここでは快楽の反対の不快を積極的に味わうという「積極的不快」について考えます。

これは、ネガティブ・ビジュアリゼーションのように、わざわざ平常時に不快を味わっておくという方法です。

例えば、震災を想定して、いつかくる日のために、硬い床の上で寝るという経験を、事前にやっておくというような感じです。

そうすれば、実際にその日が来た時、うろたえることはないでしょう。

よく備蓄などをする人は多いですが、災害時などを想定してその環境に慣れておく、と言う思考です。

例えば・・

寒い日に、少し薄着をしてみるとか。

意識的にお腹をすかせてみるとか、です。

このような積極的不快経験によって、3つの利益があると言います。

1.(将来起こることに対して)精神面、肉体面などを強くしておく

2.不快に対する自信を育てる(逆に知らない人は「不安」が強まる)

3.今あるもの(人、もの)を改めて評価できるようになる


いかがでしょうか。

これからは、人間関係についてストイックに考えてみたいと思います。


ストア哲学を一つの記事にしようとすると無理があるので、とりあえずはここで終了です。

次は人間関係について、考えていきたいと思います。






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