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2020年12月4日金曜日

「ストア哲学」ストイックで人からの侮辱に対抗する!

 前回は、ストア哲学、ストイックとはについてと、代表的な思考法であるネガティブ・ビジュアリゼーション、積極的不快などについて、お伝えしました。


今回は後半で、主に人間関係の話をします。

人との関係がうまくいかない方へ、またトラブルが多く起こって、自分の気持ちが落ち着かない方などに、読んでいただきたいと思います。



苦手な人への対処法

ストイックは、周りの人から影響を受けるなと言いつつも、人間は社会的動物だから人と協力するように勧めます。

さぁ、この矛盾をどう解決するのか?

マルクスは、人に対する不信感が非常に強かったのですが、仲間との関係には背を向けずにいたそうです。

なぜこのようなことができたかというと、動機付けの違いです。

私たちが仲間と協力するのは、罰せられることへの恐怖からくるものだと思います。

四面楚歌とか村八分、批判を受けたくないと言う恐れの気持ちです。

それに対してマルクスの動機付けは、報酬への期待からくるものだと解釈しました。

この報酬は、お金ではないです。もちろん、名声でもありません。

これは、「良き生」つまり、「納得のいく人生を送った」と自分が思うためにです。


ただ、悪徳な人などは、ウィルスのようにあなたの感情に悪い影響を持ってきます。

このような感染を防ぐためにはどうしたら良いでしょうか?

他人と接する前に、自分が守ろうとする「性格と型」を形成しておく、ということです。

これは、「ここだけは譲れない」というようなところをはっきりしておくことです。

もっともしてはいけないこと


それは、苦手な人を嫌うことです。

理由は、嫌悪という感情は有害だからです。

「その人のことを思っただけで、気分が悪くなった」と言う経験はあると思います。

コメントなどでも、恨みの感情を出す人は多いですが、とても強くしつこい感情です。

ストア哲学では、そんな嫌いな人のために、自分が感情的な被害を受けないように、嫌わないということです。


そして、最後の復讐はこれです。

相手と同じようにはならないこと!

です。

嫌な態度をしたり、意地悪をするような人と、同等のレベルにならないことです。

同じ土俵で戦う意味もない、ということです。


それでも不快だと感じたら?


それでも義務とか必要性があって、一緒にいないといけない場合もあります。

そんな時は、どうしたら良いでしょうか。


1.自分のことも不快に思う人がいると考える(視点をズラす)

2.相手のことについて深く考えない(時間の無駄)

3.嫌な人間が存在するのは、当たり前だと思う(一般化)

となります。

それでもイライラしたら?


人生は一瞬だ!と考える(そんな人に時間を使うのは勿体無い)


いかがでしょうか。

他者からの侮辱にどう対処するか?


侮辱とは、どう言う意味でしょうか。

ばかにして、はずかしめること。

と言うことです。

あなたも、このような経験はないでしょうか?

優しそうな顔をして、親しげに近づいてきたのに、突如恐ろしい言葉を吐いて、あなたを傷つけるような人に出会ってしまった。

また、突然、朝来たらメンバーが無視をして驚いた、などです。

誰でも経験があるのではないでしょうか。

これは、事故のようなものですが、このような出来事で自分が傷つくことは、避けたいものです。

このような場合、ストア哲学ではどう考えるのでしょうか?


ここで、侮辱を受けた時に、考えたいことを4つあげます。

  1. 立ち止まり、本当かどうかを確認する
  2. 相手は、自分のことをどれほど知っているのかを考える
  3. 相手によって受け止めかたを変える
  4. 侮辱と受け取ったのは自分だと気づくこと

また、哲学っぽい内容もありますが、一つづつ見ていきます。

1.立ち止まり、本当かどうかを確認する

例えば、ハゲと言われて実際にハゲているなら「それは事実」と言えます。
でも、言われた方が間違いなのではなく、事実は事実という捉え方です。

2.相手は、自分のことをどれほど知っているのかを考える

 人の中には、ただ自分が優位性を出したいから、人を蹴落とすようなことを言っているだけの人も多くいます。

その侮辱の内容があっているのか、本人の問題なのかを調べる必要があります。

3.相手によって受け止めかたを変える 

相手があなたにとって、尊敬している人なら、もしかすると侮辱ではなく、「良いアドバイス」なのかも知れません。
逆に、尊敬してない人なら、あなたの見立ては当たっていた、ということになります。
つまり、「自分の人を見る目は間違っていなかった」と喜ぶべきです。
世の中には、傲慢なだけの人間を親友だと思い違いをしている人が、たくさんいます。

4.侮辱と受け取ったのは自分だと気づくこと

これも難しいですが、一番のハゲは事実、という例のように、事実を言われて侮辱だと受け取ったのは「自分」であり、その結果怒りを生んだのも「自分」だということに、気づけば感情がゆさぶられることもないと思います。


いかがでしょうか。


次は、この侮辱に対して、具体的にどのように対処するかを考えたいと思います。



侮辱にどう対応するか?


まさに、上のイラストのようにならないように、侮辱に対処しないといけません。

このような取っ組み合いの喧嘩などは、相手にもよりますが、「お互い様」になってしまいます。

それは、さっきも言ったように、侮辱をする人と同等レベルになったということを意味します。

では、ストア哲学ではどのように対処していくのでしょうか。


  1. ユーモアで答える
  2. 反応しない
  3. 教えてあげる

この3つになります。

詳しく説明します。

1.ユーモアで答える

これは海外の哲学なので、このようなユーモアで答えるという内容は、日本人には難しいかも知れませんが、意図を理解すると納得できます。
このユーモアは、相手の侮辱を真正面から受け取ってないということを、意味します。

例えば、「あなたが言う以上に、私は欠点だらけだ」と言う感じの自虐も含めてです。

こう答えられると言う設定が、相手にはないので、驚くと思います。その間に、その場を去るようにします。

2.反応しない

聞こえていないかのようなそぶりをしたり、聞こえていたことがわかっても「くだらない人間の相手をする暇はない」と言う意味合いがあります。


3.教えてあげる

相手がまだ成長段階であるなら、そのような言葉や態度は失礼だと教えてあげるのも一つです。


褒められた場合は?



では、逆に、褒められたらどうしたら良いのでしょうか?

同じく、「反応しないか相手にしないこと」が大事です。

あなたは、誰かから褒められることを、人生の目標にしていませんか?

それは、とても危険なことです。

なぜなら、褒められるためには、その人の価値観を自分の中に取り入れなくてはならないからです。

これは、例えば、親などから褒められるために、努力をしている人がいたとします。

その人は、自然に親の望む姿・・つまり親の価値観を自分に取り入れて、それを達成しようとしているのです。

このような人は、親などの「飽くなき欲望(前半をご覧ください)」に、振り回されることになります。

ストア哲学、ストイックになるには、まず、このような「褒められたい欲」を投げ捨てることをお勧めします。

また、このような場合、褒められても反応しないと言う方法の他に、もう一つ方法があります。

それは、わざとその人から軽蔑されることをする、です。

これは、反抗期なども似てますが、前半で言ったように人間の飽くなき欲望は、非常に強く、しつこいので、最初にバーンと大げさに裏切りを見せることで、相手の都合の良い空想や夢想、期待などをバサッと裏切ってしまうと言う方法です。

いかがでしょうか。

終わりに・・・


私たちは、人生の喜びを少しでも感じようとします。

そして、その喜びには、「変化」が必要であると思います。

この変化は、環境や人間関係を変えることで、きっと変化が訪れ喜びも・・となります。

こうして転職や付き合ったり別れたりを繰り返して、疲れ果てた人も多いと思います。

ストア哲学では、そうではなくて、前半で言ったようなネガティブ・ビジュアリゼーションなどによって、既に持っているものを喜ぶと言う方法です。

だから、何も付け足さなくても良いし、変化も必要がないのです。


また、私たちの不安の多くは、今あるものを失うことによる「予期不安」です。

これは、将来への不安なども同じです。

付き合っている人が離れる不安、ペットが死んでしまう不安などもそうです。

でも、別れはいつかは訪れます。

それを、予期しておくことと、実際に少しづつ体験していくことが、この哲学の面白くて、役に立つところだと思います。

そのためには、3つのことを覚えておいてください。

  1. 自分の性格を楽しむ
  2. 失う準備をしておく
  3. 悪い意味で「通(極上主義)」にならない
これを簡単に説明すると・・・

1.自分の性格を楽しむ

自分は(とりあえず死ぬまでは)失うことはないからです。
しかも、自分の性格や思考は、自分でコントロール(前半をご覧ください)できるものです。

 


2.失う準備をしておく

ネガティブ・ビジュアリゼーションや積極的不快プログラムを使います(前半をご覧ください)。

 


3.悪い意味で「通(極上主義)」にならない

前にテレビでやってましたが、お金持ちでも、10万円のワインや1000円のワインを、見分けることすらできないのです。
でも、「通」ぶっていると、悪い人が寄ってきて、このワナにはまって湯水のようにお金を使うことになります。
もし、このような見栄っ張りの生活習慣があるなら、この機会に考え直してみてください。
きっとわかった人は、そのような人を冷めた目で見ているはずです。


いかがでしょうか。

なんか、世の中を見る目が、少し変わったと思いませんか?

ぜひ、あなたの生活に、ストア哲学、ストイックな生き方を取り入れてください。






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