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2021年4月10日土曜日

ハイデガーという人について

 


動画で触れたハイデガーについて思うところを書いてみたいと思います。

ハイデガーは、どんな人だと思いますか?


検索などをしたらすぐに写真が出てきますので、みてください。

まさに、「おじさん」というイメージがぴったりの貫禄があって頑固そうで、精力もありそうな感じです。

私はハイデガーの「存在と時間」という難解な600ページくらいある本を読む中で、「誰がこんなクソ難しい言い回しをするんだ!!」と検索して「まさにイメージ通り」と納得したのです。

でも、この「存在と時間」は、実はすごく尻切れとんぼです。当初は、上下巻で出す予定が前半だけで後半は出してないのです。

つまり、タイトルの「時間」の説明は、最後の方にありますが、「存在」の丁寧すぎる考察とは違って、とても足早にしかも簡単に書かれています。

……このがっかり感を誰かと共有したいです。

まさにハイデガーのような几帳面な人にありがちな、「最初はこだわりすぎて最後は根気が続かないくなる」というような感じがして人間臭さを感じずにはおれません。

このハイデガーは、岡田先生の書籍に書いてありましたが、なんと大学の先生の仕事をしていた時、妻子がいるにも関わらずその大学の学生と不倫をしていました。

しかも、その相手はのちに映画にもなる「ハンナ・アーレント」です。

彼女は、ヒトラーの元で、強制収容所の事務処理の仕事をした 役人のアイヒマンという人物について、疑問を持ち調べ上げた人でもあります。


これは、映画の宣伝で、写っているのは主役の女優です。

しかも、しかも、この「存在と時間」が出版されることになって、急いで彼女に別れ話をしたという……。

その話を聞いてハンナ・アーレントは、その気持ちを受け入れましたが、「一生愛し続けます」という手紙を彼に送ったそうで、文通は亡くなるまで続けたそうです。

ただ、彼女も哲学などをしてどんどん売れっ子になって、最後は落ちぶれたハイデガーとコラボして助けてあげたという結末だったようです。

彼女の人となりは、愛着不足で育ったとして、岡田先生はその生き様を取り上げています。



ある意味、ハイデガーはなんだかんだで恵まれた人のように思います。

仕事もないような時に、出版の話をもらい大学の先生という職を得て、その代わりに愛人とさよならしてまで、有名になった。

しかしその後、政治的な流れによって職を失いながら、その愛人に助けてもらうという……

つまり、どこにでもいるけど愛されるおじさん。

しかし、ハンナ・アーレントは、違った。そんな気がします。

この違いは何か?

私はハイデガーは愛着の問題などはなく育ち、ハンナ・アーレントは、先ほども言ったように愛着に深い傷を持っています。

だからこそ、伝えたいことや真実を歪めたくないという「信念」が強く、またそれを簡単に諦めるようなことが少ないのだと考えます。

つまり、レジリエンス……つまりトラウマから立ち直り強く生きる人には、トラウマのない人と違って、後天的に備えることになった「芯の強さ」が違うように思います。

きっと、ハンナ・アーレントは、ハイデガーのように途中で出版を諦めるということは、できないのだと思います。

その辺は、トラウマ持ちの強みだと思ってます。


また、このような誠実味に欠けるような人に尽くしてしまうのも、愛着が不足した人の特徴でもあります。

「こんな私でも愛してくれるなら……」ということでしょうか。



ちなみに、「存在と時間」がどんな内容かというと……

どこよりも簡単に要約すると

良心の呼び声を聞き取り(本来の自分になるための声であって、身近な人の支配ではないよ)
日常への頽落(崩れ堕ちていくような、なり崩しの態度)から立ち上がり

死に臨んで在る存在(自分)と自覚し(のんびりしてはいられない)

死の内へ果敢に先駆け(有限の将来を見通して勇気を出して決断をして)

自分の中の先人から委ねられた負託を背負い受けることを決断して、運命として人生を生きていく……

この一番最後のところが、あまりにも唐突で説明もなく、論理的でもない気がして尻切れとんぼです。

色々言った挙句に、最後には「もう大人になれよ🚬」と諭されたような気がしてます。

でも、存在の部分は素晴らしいと感じます。

このアンバランスさも、彼の魅力の一つなのでしょう。

以上で、ハイデガーという人について終わります。

すでにハンナ・アーレントに興味が移りつつあります(笑

以上で、ハイデガーの人となりについて、終わります。ありがとうございました。

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